教育再生会議は誰のためのものか・その2

2007年2月24日 02時28分 | カテゴリー: 子ども・教育

教育内容の改革として「ゆとり教育」の見直し、学力の向上が筆頭にあげられる。OECD(経済協力開発機構)調査によると、日本の教育予算はGDP比3.5%で加盟国平均の5.2%を下回り、教員数も平均より低いとのデータがある。また、昨年5月に視察をしたフィンランド、スウェーデンでは、大学院まで教育費は無料であり、誰でもいつでも学びなおすことが可能だ。それに比べ日本では親の所得に影響を受ける教育費用が、教育における格差を拡げている。このような教育を取り巻く実情を放置して、授業時間を増やす基礎学力強化プログラムと全国学力テストの実施、習熟度別指導などが強化されることになる。
フィンランドは2003年のOECD学習到達度調査で読解力をはじめ総合1位になり、学力世界一の国として注目される。フィンランドの教育の目標は、知識を詰め込むことではなく、「自ら考える力」を育てること、教育の機会の均等、生涯に渡って学習する能力を身につけること。フィンランドが競争と比較をやめて発達を強調した国として評価される由縁だ。今、わが国は、このフィンランドの普遍的な思想とは逆の方向「競い合う教育」へとさらに舵をきろうとしている。

子ども自身の下地というべき自ら学び判断する力、理解力をつけるような涵養をどう行なうのか。ひとつに読書の役割があると思う。本を読む楽しさは、学ぶ楽しさを教えてくれる。他者を知り世界を知り、自分に向き合う。誰にも邪魔されない想像力を育て、表現する力を持つことができる。こういった時間と機会をすべての子どもにと願う。
政府は「新学校図書館図書整備5ヵ年計画」をスタートさせ、学校図書館整備に向けた年間200億円、5年間で1000億円の地方交付税を導入することを決めている。今回の措置は、学校図書館にある古い図書類を廃棄、整理するためにも活用できる。しかし、この交付税は、各自治体が学校図書館図書費として認知しなければ、一般財源として流用されてしまう。ここが肝心だ。
子どもの生きるベース、学ぶ原動力になる力を養う読書環境整備に力を入れた「教育再生」を実現させたい。(大塚恵美子)