石井桃子さん、100歳のお誕生日を迎える

2007年2月28日 03時28分 | カテゴリー: 本の楽しみ・図書館・学校図書館

文庫と子どもの本のおもしろさをいっぱいわけてもらった

児童文学作家の石井桃子さんが3月10日に、100歳のお誕生日を迎えるという話を聞いた。お祝いに、銀座の教分館書店・ナルニア国で、石井さんの著書や訳書の表紙が展示されていて、石井さんが発起人でもある東京子ども図書館で、100選を語ったり、おはなし会が予定されているそう。「一緒に行ける?」と聞かれたけれど、うーん、難しいかもしれない。

石井桃子さんの荻窪の「かつら文庫」の活動がきっかけで、日本中のお母さんたちが、地域で家庭で、子ども文庫を次々と開いたしあわせの時代。久米川公団の川島恭子さんの「けやき文庫」や「くめがわ電車図書館」、28年前に出会ったふたつの文庫が私の人生ちょっとすてきに変えたな、と思う。

「でんしゃ」の入り口の貼り紙を見て、小さな息子を連れ「ここに書いてある本の勉強会に入りたいんですけど」と。「自分から入りたい、といった人はあなたが初めて」と、長いこと言われたっけ、もちろん愛情を込めて。
文庫で出会った、たくさんの本と友だち。ふたりの子どもは、「でんしゃ」より、おばさんとおしゃべりして独り占めもできる「けやき文庫」の常連さんだった。私にとって文庫って、子どもだけでなく、いろんなものが見えるようになった私自身が育てられたところだったな。

石井さんの作品もたくさん楽しんだ。ちょっとおかしな猫さんの「山のトムさん」や、ファージョンの「年とったばあやのおはなしかご」「マーティン・ピピン」やグレアムの「たのしい川べ」、それからゴッデンの「ねずみ女房」なんかが特に好きだな。
自伝の中で、石井さんが浦和育ちと知って、とても嬉しいような気がした。石井さんが訪ねたイギリスの児童文学の世界、ピーターラビットの湖水地方(ちょっと流行りすぎね)やファージョンの舞台、サトクリフ縁の土地にいつか行ってみようと思っている。

ユーモアがあって、不思議な翻訳、ピーターラビットの中の「りすのナトキン」が好きな理由もナトキンが結構ずるくておかしくて、でもおしまいがとっても見事だものね、やっぱり上等な訳のよさだ。我が家の小さな子どもに振り回されながら独り言でつい呟いてしまった「ばっかなクマのやつ」、クリストファ・ロビンのプーさんに対する気持ちがよーくわかる。なんてぴったりの調子なんだろう。
ああ、100歳だなんて、石井桃子さん、お誕生日、本当におめでとう!(大塚恵美子)