共に働く、共にくらす「わっぱの会」を訪ねて

2007年7月25日 00時09分 | カテゴリー: 自分らしく生きる

わっぱと共同連の今

7月23・24日、「インクルの会・はじめの一歩」のメンバーで名古屋に「わっぱの会」・共同連の事業所を訪ねた。「わっぱの会」は、1971年から障害のある人もそうでない人も共に生きる相互扶助社会を目指して活動しているグループ。生活援助と就労援助を社会的役割として担っている。

電車を乗り継ぎ訪ねた「なごや職業開拓校」は、全国で21番目の障害者の職業訓練の運営委託を受けている。2年あるいは1年の期間で知的障害、精神障害のある人が25名、製麺の加工、併設の「則武屋うどん」で飲食サービスの実地訓練をしている。茹でたてのうどんでお昼にし、製麺の実習場を見学させてもらう。一日に25Kgの国産小麦を7袋使い、沖縄の塩、黒酢を用いたうどんを作る。製麺実習のひと仕事を終えた訓練生たちと笑顔で挨拶を交わした。
その後、名古屋市の委託を受けるペットボトルの選別・圧縮のリサイクル事業所を訪ねた。毎日4tのペットボトルを17人の障害のある人とそうでない人5人で処理する。皆、もくもくと仕事に没頭している。その後、きれいに後片付け。リズムのある働きぶりだ。
翌日は、「わっぱん」として知られる国産小麦と天然酵母のパン工房を2ヶ所見学させてもらう。市内の生協等に製造卸をしているそうで、着々と各種のパンを製造している。くるみパン、よもぎパン、人気の動物パンやミニサイズのパン・・・大勢で賑やかに作業している。同じグループホームから通勤している人も多く、総勢40人を超す企業組合を形成している。
一緒に働く場、協働事業所づくりをすすめ、現在、訪問先以外の農業やクッキー製造などを含め150人が働く「わっぱ」。障害の有る無しに関らず対等な関係だから、区別を設けず、分配金という名の給料も成果・能力には基づかない12万円以上の経済的自立を可能にする分配金が保証されている。見事だ。与える福祉ではなく、ともに生き、働く場づくりなのだ。36年先駆的役割で走り続けてきた「わっぱの会」もこれからの後継者育成、若い人たちへの拡充が課題とのこと。
自立支援法以来、補助金もダウンしてきたが、「福祉」の金というものは、作業所の運営と人件費に充てられてきた。働く人個人への労働の対価としての分配金、この転換こそが本来のはずだが、共同連や「わっぱの会」の理念が今なお、輝きを発揮し新鮮に映るのは、障害者に対する現状が差別にあふれ、共生の思想が貧困だからだ。「こうじゃなくちゃ!」と元気をもらったが、やはり社会の有り様を思うと、ため息が出るなあ。(大塚恵美子)
〔写真上は、製麺の工程を聞くインクルの会メンバー、下は、リサイクル事業所と「わっぱん」パン工房〕