宮崎駿さんと「淵の森」対岸の緑と

2007年8月14日 16時27分 | カテゴリー: 環境

12日の日曜日、秋津町と所沢市の境にある「淵の森」で緊急会議が開かれた。「淵の森保全連絡協議会」会長の宮崎駿監督、事務局長の安田敏男さんたちから淵の森対岸1500㎡の保全について、東村山市の態度の豹変に関する報告と今後の取組についてのアピールがあった。
柳瀬川の流域で、両岸が自然のまま残っているのはここ淵の森だけ、とのお話を川の保全活動をしている今泉さんから伺う。国土交通省の「新しい川づくり」というコンセプトにも柳瀬川のこの自然護岸が先進的事例として紹介されていると聞く。東村山と所沢にまたがる「淵の森」は、11年前に、住民である宮崎駿さんたち主に所沢市民の約3億円の寄付で4600㎡が保全、公有地化がされ、ケヤキやクヌギなどの明るい雑木林が広がり、裾野を「キツネノカミソリ」が彩りを添える。対岸の東村山側も「蛇かご」やコンクリートで護岸がされている部分もあるが、手付かずで残っている自然のままの護岸とそこを支える緑地帯は、今残さなければ、未来に手渡さなければ、と思わせる場所だ。自然護岸の間を流れる柳瀬川から久しぶりに聞く瀬音、沢の音がする。そして、林の中は蝉の鳴き声でいっぱい。ここが、東村山か、と思ってしまう「最後の場所」のような気がする。

緑地保全基金ができ、青葉町などに残る雑木林が保全されてきた。今、この土地も保全しなければ、あっという間に開発され、コンクリートで護岸され、雑木林は残らない。
宮崎さんたち連絡協議会のメンバーは、6月19日、市民から寄せられた募金の目録をもって、渡部市長と「淵の森対岸の保全」について会談し、その場で公有地化について合意した経過があり、各紙にも大々的に報道されている。しかし、その後、市は、地権者との話合いという具体的な手順を踏まないまま、時が過ぎた。そして7月6日には、6000万円と想定されていた土地の価格が1億3000万円に釣りあがった(あくまでも業者主張の想定価格だ)ことなどにより、業者との話合いの中で「予定地全部を公有化するのは無理、市が買えるのは川沿いの700㎡だけ」という路線変更を担当部長から告げられたそうだ。市長の公有地化の約束をあっけなく反故にする中途変更。何かの思惑が去来したのか、誰か大物のキーパーソンが出現したのか、など不信が不信を生む状況になっている。
なにより、地権者との誠意のある対話、交渉が必要ではないか。法務局で調べても、まだ、土地の売り買いは成立していない。まだ、大きなチャンスはある。みすみす逃してはいけない。
全国から寄せられた現在の募金額は、2300万円を超す。近々、連絡協議会と市側との話合いが「淵の森」でもたれるとの連絡が先ほどあった。→8月16日(木)朝9時30分・淵の森で
連日猛暑の続く真夏日、地球温暖化対策CO2−6%削減にも森林の保全は効果抜群とのデータも発表されている。目先の開発優先は、人を幸せにしない。次世代への贈り物は、先祖から預かったあるがままの川や緑を保全し、誰でもがその力を満喫できることにある。
市の英断を期待する。今、やらなきゃどうするの!(大塚恵美子)
(写真は、開発後の土地の姿を自作の絵で説明する宮崎駿監督、淵の森対岸と柳瀬川、淵の森を彩るキツネノカミソリ)