Tさんへの手紙・好きな映画は生きるエスプリ

2007年9月30日 01時07分 | カテゴリー: 日々雑感

ご無沙汰しています。毎日お忙しいことでしょう。
以前同じ職場にいた時に、お昼休みなどに好きな映画の話をいっぱいしましたね。岩波映画の中にイタリアの障害者就労支援策を見つけたことや、共通のお気に入りオランダ映画マルレーン・ゴリス監督の「アントニア」にまつわる話をしましたね。いつも洞察力にあふれるあなたの視線に感心してしまう私でした。
アントニア、自分の死が近づくことを受け止め、大きく窓を開け、今までを思い起こすアントニア。女の生き方がすかっとする映画でした。旧弊なご近所に迎合しないアントニアの生き方、レズビアンの娘の生き方を認め応援するアントニア、レイプなど虐待にあった女性への手の差し伸べ方があったかく、男への逆襲が気持ちいい。大地に種蒔くアントニアの姿が土の匂いと温かさを彷彿とさせる印象的なシーン。男の支配に抵抗する女のメッセージ。あんな風に往きたい女の映画でした。
さて、先日、私はスペインのアルモドバル監督の「ボルベール・帰郷」という映画を観ました。数日経つのにペネロペ・クルスの美しい姿がフラッシュバックして、その都度、シーンとシーンの無駄のない伏線に思い当たったり、ぐうたらな男いらずの女たちの豪快かつ繊細な生き方に魅了されっぱなしです。笑ってしまうほど、次々と悲惨な話がつながり、スピーディに片付けていくライムンダと娘、死んだと思われていたライムンダ姉妹の母親の登場(ママの匂いでわかってしまうなんて!)、姉の機転、癌で死に往く隣人の女性、ライムンダをつべこべ言わずに助ける近所の女たち・・・女って本当にいいな、とまたまた思ってしまう浮き立つ気持ちになる久しぶりの映画。情熱的な瞳の美しすぎるペネロペ・クルスの体当たりのライムンダ役、「つけ尻」をして画面を闊歩し、怒りの表情の後のふわっと潤む瞳。ひょんなこと(死体の隠蔽)から、レストランを切り盛りし、起業してしまう力強さ。「帰郷」の唄声が体を離れないのです。
アントニア、ライムンダ、愛さずにはいられない女の姿を再びあなたと語り合いたいものです。もうご覧になりましたか?(なんだか今日は熱があるみたいな大塚恵美子)