久しぶりの「女性と年金」をめぐるシンポジウム

2007年10月8日 22時41分 | カテゴリー: 女性・生き方

女性税理士連盟50周年記念の「働き方をめぐる税制と年金」シンポに参加した。基調講演は、住田裕子さん、最近では、「行列の多い法律相談所」のTV出演で有名だが、住田さんが2000年〜01年にかけての厚生労働省「女性と年金検討委員会」のメンバーだった時から存じ上げる弁護士さん。毎月傍聴に出かけていた私は、委員会が終わった後、いつもストレートで的確な発言をされる住田さんを捉まえては立ち話。「意気投合」!?して、2004年の年金改正を前に東京生活者ネットワークの年金をテーマとしたパネルディスカッション「今、変える!私たちの年金・働き方(2002年2月)」にご登場を戴いたことが数日前のようにも、はるか昔のようにも思える。
その時の論点は「第3号被保険者に負担を求める場合の6つの選択肢(厚生労働省・女性と年金検討会報告書)」および「パートの厚生年金適用を現行の年収130万円・労働時間3/4の要件からどう拡大するか」だった。東京・生活者ネットワークは、1999年の年金改正時に、負担せずに年金が保障される主婦優遇策の「第3号被保険者制度」は女性の生き方を固定しがちな制度であり公平・中立とはいえないことから、廃止を含む要望を厚生大臣に提案。その提案をつくりあげる頃から、私のライフワークのように思えるようになったのが「女性と年金」の課題だ。どんなライフスタイルを選択しても自分らしく生きられる社会保障のあり方を考える。それが当時の思い。
しかし6、7年経過した6日のシンポジウムでも、女性と年金の課題の根本は、解決されないまま今に至っていることをまたしても思い知る。住田さんも同様の思いをおっしゃった。
住田さんや袖井孝子さんを中心にあれほどの議論が2001年に沸騰しても、改正されたのは、「離婚時の年金分割」のみ。それも一歩とはいえ、そもそも3号被保険者にきり適用されないものなのだ。1985年、まだ「片働き世帯」が大半だった時代に制度化された「第3号被保険者」は、多様化する働き方、過半数を「共働き世帯」が占める現状には、モデルとして通用しなくなった、もはや時代錯誤の制度、拭い去れない性別役割分業の遺産だ。雇用形態も変化し、非正規雇用が男女や年齢を問わず増加している現状にもマッチしない配偶者控除や103万円、130万円の税制や年金の壁。
今を生きる大多数の人に適合しなくなった制度は変えるしかない。しかも社会保障制度の転換には少なくとも40年はかかる、といわれる。でも、この7年、動かなかった「女性と年金」の制度。「宙に浮いた年金」をめぐる社会保険庁のでたらめさ加減。
不信感からも空洞化が進行する国民年金、将来の年金担い手を合計特殊出生率で占っても、年金を負担できる正規雇用者の割合は減少している現状。一階部分の基礎年金は税金で保障し、2階部分を厚生年金、共済年金の統合と報酬比例で行う「年金一元化」の途はまだまだ遠い、久しぶりに学びなおした年金の課題だったが、夢から醒めても以前のまま、という気持ちのあまり晴れないシンポジウムであった。せっかく住田さん、木村陽子さん(後半のパネリスト)にお会いしたのになあ・・・(大塚恵美子)
〔写真上は、住田裕子さん、下は、経済格差を拡大させる現状の年金制度について説明する木村陽子さん)