大地に展開するアート 会派視察①十日町市

2007年10月27日 21時12分 | カテゴリー: まちづくり

好天に恵まれた10月24日、新潟県十日町市を訪ねる。魚沼産こしひかりの産地、刈入れの終わった田園風景が広がる。H17年に5市町村が合併したため、面積は約600k㎡、信濃川が蛇行し、河岸段丘と美しい棚田で知られ、山岳に囲まれた積雪2.5メートルの豪雪地帯。人口は62000人、3年前の中越地震の復興が途上とのこと。
この広大な大地に、地域里創プランと位置づけ、そのひとつに3年毎に開催(トリエンナーレ)の芸術祭事業を2000年から2006年の3回の県事業として実施してきた。
2006年開催の大地の芸術祭は、50日間開催、参加作家は40の国と地域から203組、来場者数35万人。会期中何回でも利用できるパスポート3000円を売り上げ、寄付・協賛金が2億円、県から1億円出資の3ヵ年総事業費6億円、経済波及効果が56億円、県全体に影響を与えてきた。芸術祭閉会後も恒久作品が観光資源として蓄積されており、地域の連携、活性化がはかられてきた。
楽しいな、と思うのは、「こへび隊」と称した会期中の実働を担うボランティアサポート部隊で、地域との橋渡しをし、作家とともに作品を制作し、ツアーガイドや賄いなどもこなす。「おおへび隊」というベネッセの福武總一郎さんを委員長としたスポンサー軍団の協賛活動や広報活動も特記すべきこと。総合ディレクターが北川フラムさん、ファーレ立川などの都市アートのプランニングを数多く手がけてきた高田市出身の芸術家が、大地との共生、地域の活性化をアートコンセプトに籠めた芸術祭だ。
現在は、160ほどの作品が点在しているとのことで、十日町市の観光課のご担当に案内をいただいた。
訪ねたのは、ステージ整備事業の「交流館キナーレ」という水を廻る回廊、広島原爆の残り火を今なお燈しつづけるモニュメント、「光の館」という開閉できる天井から大空や星空を眺められる宿泊施設、道が隆起したような公衆トイレ、長い長い椅子、里山に点在する彫像など。視察時間には限りがあり、アートを堪能するのは、次回の自分旅行に譲ることに。水のある時期の棚田を舞台にしたインスタレーションや樹林に咲くビーズの花々、草間弥生さんの水玉アートが個人的には観たい!と思ったが、その時点限りの作品も多く、現在は観られないものが多い。
開催の度に認知度があがりアーティストからの期待も高まってきた。当初10ヵ年の事業だったが、市の独自事業として2009年実施を決定した。作品の公募も始まり、年明けには、北川フラムさんによる選考が開始する。
十日町市とは、規模や地勢は異なるけれど、東村山の北山、八国山地域、保全雑木林、果樹園、狭山公園など、身近な里山景観をアートのキャンバスにするアイディアをもらう。アートは身近なものを再発見させてくれる。暮らしのある部分はいつだって創造性にあふれ、それ自体がアートでもある。東村山を歩いて楽しいまちにするための参加のシステムのひとつが里山アートづくりだとおもしろい、と思う。(大塚恵美子)
〔写真上は、広島の灯、下は隆起する道と同僚奥谷議員、すすきの原〕