家づくりも多摩産材をつかった地産地消で

2008年2月24日 22時12分 | カテゴリー: 環境

先日、多摩の材木を使った家づくりに取組む方々と懇談の機会をもった。
あきる野市周辺の製材所でつくる秋川木材協同組合、そして多摩の木を活用した家づくりを進めるグループ「木家団」の方々。伺った内容は、理にかなった話であり、20年前の我が家の建替えを大いに悔やむ話でもあった。
東京の林野率は36%、そのうち多摩の山林が8割を占める。江戸時代から「青梅林業地」といわれた木材の生産地だが、かつて500軒あった製材所が25軒に減少した。昭和30年代の木材自由化の影響で、国産の木材利用率は80%から20%へと大きく下落したという。
植林された木は50〜60年で伐採し使われる適切な管理が、山を活性化させるサイクルである。現在のように国産材が使われなければ、手入れがされず、山が荒れ、そして売れない、という悪循環をつくっている。
食べ物と同じ話である。食料自給率が40%、コスト優先主義で原材料だけでなく、加工品まで海外に依存し、今や安全を確保する選択肢さえ失い、風土にあった食文化の継承も困難に・・・。
「フードマイレイジ」をかけて食品を手に入れる構造は木材も同様だ。外国での過剰な森林伐採、輸送にかかわるエネルギーコストとCO2排出など「ウッドマイレージ」をかけることによる負荷は大きいということになる。
現在の木造建物の耐久年数は26,7年と聞く。それでは、法隆寺はなぜもっているのか。日本の気候風土に適した国産ヒノキや国産スギと比べ外国産の集成材やホワイトウッド(オウシュウトウヒ)やベイツガなどは耐久性に欠け、シロアリに弱いという科学的なデータがあり、木造住宅の5割以上が「腐れやすい木」で建てられている、というショックな話も伺う。そしてシックハウスの恐れ。トレーサビリティ(生産履歴)はここでも重要である。

ああ、どうしよう。なんと無神経、無造作に家を建ててしまったのだろう・・・。それぞれの事情の中であっても、家を建てる、なんていうのは生涯最大の高価な買い物である。地震に優れ火事に強いことを第一優先に大手の業者のいいなり、に近い形で選んだ。デザイン、機能性ばかり気にして、材料の吟味、国産材をしかも身近な多摩の木を使った家づくりなんて微塵も考えなかった。なぜか?無垢の木を使った住宅はとてつもなく高価だと信じていたことが大きい。しかし、伺ったお話では、ログハウスではない通常の家を建てる時に使う木にかけるコストは建築費用の1割に過ぎず、多摩産材をふんだんに使っても30万円高くなるかどうか、とのことだ。大手のハウスメーカーが出店する住宅展示場の一年の経費は1億円だそうだ。国産材、多摩産材の活用を促進しようとしても困難が多く、宣伝が浸透しないということだった。
市内のこれからの事業にも活かせるといいのだが。安心して長く使える社会資源づくりと多摩の地場産業を活性化する支援のためにも。
それにつけても、衣食住というが、住まいにかける感受性や感覚が全くなかったことに気づかされ、動揺し、この晩ばかりは言葉少ない大塚であった・・・。(大塚恵美子)
【写真は、全て地元長崎の木材を使った大正時代建築の田平カトリック教会の美しい内部】