薔薇三昧

2008年5月19日 01時20分 | カテゴリー: 日々雑感

このところ「お忙しいでしょうけれど少し時間ある?」とお誘いがかかる。薔薇の季節、丹精の薔薇を見せてくださるお誘いだ、嬉しい。
先日は、Yさん宅。彼女は、お住まいのマンションの「ガーデニングクラブ」のメンバー。中でも薔薇が大好きだ。お昼を用意して待っていてくださる。部屋には、薄いオレンジ・ベージュのイングリッシュローズが挿されている。俯いてたわわに咲くオールドローズが彼女のお気に入りだ。香りが漂い、うっとりする。午後の時間、たくさんお喋りもして、帰りに薔薇を切ってもたせてくださる、なんと贅沢なもてなしか。

土曜日は、Tさん宅のオープン・ガーデン、薔薇のお花見だ。庭一面が薔薇、といっていいほどの見事さ。アーチもあり、八重も一重も、様々な色合いの薔薇が庭中に咲きほこる。彼女の丹精は10年なんてものではない。枝が太く、艶が見事だ。いわゆるハイブリッドローズが多いようだ。私の好きなジュリアやブラックティもある。オレンジとベージュのまざったような色あいが好きだ。一重の薔薇の風情もいい。
お琴の演奏もあり、今年、手に入れられたという「初音」という薔薇が色を添える。昨年、他界されたお姉さまの最後の句集「底紅」を頂戴する。鋭利で冷静な言葉のつらなりは胸をうつ、その中に森羅万象に対する慈愛が見えるのだ。薔薇より薫る美しいひとひらのご本を手渡されたことに、出会いに感謝する。

その夜は、友人夫妻からオーチャード・ホールにキース・ジャレットのお誘いもうける。即興が堪能できるジャズピアノの演奏の前に、カフェ・ドゥ・マゴに立ち寄ると、「薔薇空間」という展覧会がミュージアムで開催中で、カフェテーブルの周りはローズガーデンになっている。夕暮れの都会の薔薇。香りが低く濃厚に漂う。
夢見るような薔薇の日々を人が咲かせる。(大塚恵美子)