「近江八幡すくすく」は「地域福祉のコンビニ」

2008年7月15日 07時53分 | カテゴリー: 自分らしく生きる

炎天下の中、水と商家で知られる近江八幡に、子育てサポートと小規模多機能型居宅介護事業を同じ場所で展開している「NPOおうみはちまんすくすく」を訪ねた。
まちづくり・空き店舗対策の一環として市から紹介された、瓦屋根に格子戸の古民家築130年が「すくすくの館」だ。新しい試みがすっかり町並みに溶け込んでいる。しかし町屋というのはすごい。間口は狭いが「うなぎの寝床」状態に奥にすくすくと6室も伸びている。中庭や蔵を改造した結果とのことだが、まだ南側に畑や庭も残る!豪商のお家?足袋屋だったそうだが、さすが近江商人。

10年前に「おうみはちまん2010プラン」という男女共同参画行動計画に女性と子育ての課題を位置づけようと、元市議の伊藤さんと女性政策担当の向井さんの思いが重なり、思いを同じくする女たちの参加で活動が始まった。
財団法人から補助金を得て、保育サポーター養成講座を開き、H11年に「子育てサポートおうみはちまんすくすく」を結成、H13年にNPO認証を受ける。
そして市のファミリーサポートセンター事業を受託、現在の町屋での拠点整備を行ってきた。ファミリーサポートセンターの会員数は873名、利用が年間1800件を超える。グループ託児や子育て相談、障害児地域サポート推進事業も受託し、「女性のライフスタイルの全てを応援したい」と伊藤さんは語る。
その後、H14年に世代間交流事業を開始し、近くのお年寄りが金曜日に集ってくる。お昼代として800円、利用は無料、訪問した日は13人の女性たちがやってきて、賑やかな社交場となっていて、その傍らでは、就学前の子どもが2人、おばあちゃんに連れられて遊びに来ていた。
奥の3間はH18年から開始した小規模多機能型居宅介護施設。13人の登録者のうち、当日は4人が来所され、談笑したり、静かに本を読んだり、お風呂に入ったりされていた。なにしろ前の3間を通らなければいかれない、この構造がとてもいい。

課題が多く、東村山でも利用が全く伸びない小規模多機能、単独の運営はとても難しいし、高齢者だけを隔離してしまう。それを多様な価値観の「すくすくの館」で包み込む。これが伊藤さんいうところの「あったらいいな、福祉のコンビ二」か。町屋という地域の資源を活用し、「何を必要としているか」に思いを馳せ、世代を超えて応援し合え、それぞれがエンパワメントできる。
「居心地よくしあわせに生きていく、これが人権というものやね」伊藤さんの思わずこぼれるやさしい笑顔と言葉が私の中にしみこんでいく。(大塚恵美子)