TOKYO HOLIDAY

2008年8月21日 11時18分 | カテゴリー: 日々雑感

本日は美術館日和

8月29日から9月議会が始まる。今回、初めて会派の代表質問に取組むことになり、夏休み気分とならないまま議会に突入することに。
それでも、東京ってやっぱり便利だ。時間をやりくりして、美術館に足をはこんだ。今年の夏の展覧会は、私にとっての当たり年だもの。

夜間開館の夕刻に訪ねた「対決 巨匠たちの日本美術」は学芸員のセンスが光る稀に見る企画だった。作品の多い少ないはあるけれど、仏像、屏風、襖絵、水墨画、文人画などの絵画、浮世絵、陶芸など12組24人の巨匠の作品を対決の形でみせる。応挙、芦雪の「虎」対決、若冲、蕭白の「奇想」対決などなど。表現にはこんなに違いがあるのか、描きたかったのは何か、など美の深淵まで垣間見るような心地となる。ひとつお持ち帰りできるならば、蕪村の「鴉の図」の軸にしよう。

サントリー美術館の「小袖・江戸のオートクチュール」もいい。時代によって着物の着方が変化してきたことがわかる。帯で押さえる「おはしょり」をせず「みやつくち」を閉じた短い袖の「小袖」は一枚の絵画のようである。季節感を現し、古典文芸を想定し、身近な移ろいを楽しむ日本の意匠とは、なんと独創的で斬新なのだろう。着物姿で行くと入場料が安くなるというので、小千谷縮に蛍の麻帯でいく、忙しくたって気分だものね!

「日本民藝館」、31日まで濱田庄司展と西館「旧柳宗悦邸」が公開されている(西館は20日まで)。駒場東大の中の昭和初期の建物・クラブハウスにあるレストランでお昼(最近のランチでは極上!お値打ち!)を食べてのんびりし、大きな樹木に囲まれたキャンパス内を抜けて民藝館へ行くまでの散歩も楽しい。民藝館も柳邸も「用の美」が具現化された美しさだ。がっちりした梁や柱、床と白い塗り壁が名もない職人の民衆のための工芸品を浮き立たせる。柳とともに「民藝」という新しい美の概念を打ち立て、日常に役立つ器を作り続けた濱田庄司やバーナード・リーチの作陶にあらためて魅入る。朝鮮半島やヨーロッパにも同じ「民藝」の思想は根付き、同じ生活を営む人間の共通の想いをみる。お持ち帰りにほしいものは、濱田のゆらぎのない線描や流掛けなど様々な釉の変化に惹かれるが、李朝の白磁の重箱にしようっと、小さくてやさしい白磁に草花などの浮き彫りが可憐であり、使ってみたい。

「旧柳宗悦邸」は民藝館建設の1年前、昭和10年の建物で同じく柳の設計だ。各部屋は極めてシンプル、質素だが、使い込まれた和と洋の調和が美しい。移築された長屋門の屋根や玄関の床に大谷石が使われている点など素朴であり斬新、極めてモダンだ。
柳の同志であり、同じ時期に建てられた京都の「河井寛次郎邸(記念館)」同様に暮らしを慈しむ美しさに満ちている。柳邸の大きな食堂のテーブルに座ると立ち去りがたい思いに駆られる。
遠出のできなかった短い夏休みの東京散歩、とっても堪能、とっても上等。(大塚恵美子)