子どもが見えているか 保育園の課題あれこれ

2008年8月25日 00時56分 | カテゴリー: 子ども・教育

最近、東村山の保育園のことが巷の話題にのぼり、よく尋ねられる。決していいニュースという訳ではなく、問題提起の形で。
例えば、認可保育所のひとつ、りんごっこ保育園。市と保育所の信頼関係がない、というか当然あるべき意思の疎通がはかれていない様子が、議会質問や答弁からありありと覗えるのだ。今年に入ってから、保育士の退職が相次ぎ、ひと月に6人が退職した月もあり、確認できたところでは、1月から6月までに13人が離職されている。在園児の数も3月以降5人が転園している。「園児の受け渡しが玄関前で行われ、中の様子がわからない」という保護者からの訴えもある。園からの「おたより」も十分でなく、保育の現状が伝わらない、という事態が生じている。それでも「必須レベル」は満たしている、ということで園からは改善の意思が伝わってこない。よりよい改善なしに、これでいいのだ、と一体誰に胸を張れるのか。

別の認可保育所に、我が家のRayは通園していて、時たま、私も送り迎えをすることがある。布団カバーを付けたり、衣類やパジャマの補充、子どもの様子や必要なものの確認など顔なじみの保育士との日常のやりとりは欠かせない。いつも、保護者に開かれていて、ママも時間をつくっては気軽に保育参観に出かけ、特にオムツ離れが遅かった彼のことでは、担任の保育士さんとあれこれ相談しながら進めていた。

閉じられている保育の現場では、親たちが不安になるのは無理もない。いつも相手をしてくれる先生の顔が見えなければ、子どもたちも安定しない。子どもは道具ではない。

市立第8保育園のことは、連日新聞に載ったので、事情をよく聞かれるし、保護者の方々からメールなどたくさん頂戴した。元都立保育園だった第8保育園が1997年から市に移管され、民間委託の形で受託していた社会福祉法人「ユーカリ福祉会」が2006年から指定管理者に移行し、来年3月で指定期間が終わるため、「ユーカリ」を含む3者からの応募があり、選定が行われていた。プロポーザル等を受けた6回の選定委員会の最終日の8月7日には、他の認可保育園を経営する社会福祉法人「土の根会」が選定された。ところが、選定に関して不正があったとの「告発」があったため、市は選定結果の公表を保留してきた。公表は控えられていても、第8保育園の保育に対して信頼と期待を寄せていた多くの保護者の方々の動揺も大きく、「園の運営に問題があるとは思えず、継続を期待している」との要望書が市長に出された。その後、「土の根会」から辞退の申出があり、第2位の「ユーカリ福祉会」が今まで通り指定が継続される見通しとなった。
9月議会中に、選定に関する議案が提案される見込みであり、私も9月1日の代表質問の中で質問をする。
一件落着なのか?混乱と禍根を残したように思う。あまりに狭い範囲の保育関係者の間での選定の中立は難しく残酷である。また第1位に選定された「土の根会」は、市に関連の深い児童育成計画推進部会の会長の法人であることも、疑念を興させる元になってしまう。議事録もプロポーザルも公開されない中で、保育の現場での指定管理者制度がなじむかどうか、との当初に立ち返った議論も必要だろう。保護者とともに、これからの園の運営がどうあったらいいかを、一緒に考えるための共有もされてこなかったと思う。継続や安定が危ぶまれる保育の現場で置き去りにされるのは、当事者の子どもだ。誰のための制度か、子どもは道具ではないのだ。
おとなの思惑と論理の中で、物言わぬ子どもの権利はいつも棚上げである。(大塚恵美子)