隅田川・神田川・日本橋川 川めぐり

2008年8月28日 00時57分 | カテゴリー: 環境

川から見るまちづくり

心配していた天気は好天! 東京・生活者ネットワークの「川調査」の一環で、身近な川の最終地点東京湾までの都心の川を周遊した。同行の講師に「神田川ネットワーク」の糸井さんを迎え、隅田川を浅草・吾妻橋から出航!

身近な川、空堀川、柳瀬川は新河岸川に合流し、隅田川にそそぐ。吾妻橋付近の高速道路やアサヒビールの「キントウン」みたいな広告塔や高層の墨田区役所などの眺めは都会の風景ならではだが、水は連日の雨で濁ってはいるもののきれいでゴミも見当たらない。まずは、上流の白髭橋付近まで上り、川岸近くに魚類の避難場「ワンド」がつくられている様子をみる。隅田川、神田川、日本橋川はともに海水と混じりあう汽水域でボラやハゼが見られるそうだ。

その後、船は旋回し、両国橋あたりから両岸に屋形船の並ぶ神田川へと入る。高く急な勾配の「カミソリ護岸」に囲まれ川幅は狭いが、ユリカモメやカワウが飛び、なんとなく長閑で、江戸の時代からの生活の名残が感じられる川だ。アユの遡上が見られるほどに水質もよくなり、治水対策としての分水路や防災船着場の整備も進んでいる。

水道橋辺りから日本橋川に入ると表情は一変する。頭上に高速道路が出現し、川を塞ぎ、息苦しくなる。都心に残された唯一の自然環境が川であり、水の流れというだけでなく、風の道、緑の道として連続性のある空間なのに、その価値を半減させている。歴史的な建造物やかつて水運が盛んだった当時の面影も残るだけに残念だ。特に日本橋は、美しい飾りを乗せた橋げたの景観が台無しで、高度経済成長を追い求め、東京オリンピックを急ピッチで迎えるための乱暴な構想がみてとれる失策だ。

高速道路から外れ、急に空が開けたら、そこは隅田川、東京湾の入口だ。リバーサイドに高層のマンションが建ち並び、スーパー堤防といわれる緩い護岸斜面を緑化し、水辺を身近に散策が楽しめるテラスが広がる。隅田川に架かる橋は25、全て形状も色も異なり、それぞれに美しく楽しい。川風が心地よく、東京の新たな側面、景観を知る。高層の建物、マンションは川に向って建ち、川を正面とする新しい価値観をもつまちづくりが、そうパリ市内を流れるセーヌ川のように。建物の下に空間を残し「風の道」を確保している新しいビルも見える。

東京湾のウォーターフロントも人工的景観ながら美的な整備が進み、壮観な眺めだ。隅田川〜神田川〜日本橋川〜隅田川〜東京湾をぐるりと廻り、水辺のある暮らしは都会の中でも自然との調和を感じさせ、気持ちも解放させる。
川や海は自然の怖さをもちながらも、活かし親しむことで共生する可能性をまだまだたくさん携えている。
河川の環境は連鎖している。上流での下水処理、雨水を保全、浸透させ、一気に川に流さない取組みは、都市災害の集中化を防止する。
水質の浄化と親水化で水辺を再生し、環境に負荷を与えない自然の調整機能を向上させ、往時のような渡し舟が足となるような「水の都ルネサンス」を期待したい。(大塚恵美子)