「箕面市障害者雇用支援センター」から学ぶ

2008年10月27日 03時39分 | カテゴリー: 自分らしく生きる

厚生委員会視察 10月22日

東村山の障害者就労支援センター構想に反映したい実践例を学ぶために箕面市へ。会派視察でも訪ねた箕面市は、様々な取組みが進む視察模範市だ。人口127,000人、密度規制、人口抑制を行い良好な住宅地を形成する箕面市は、財政力指数が1.039の不交付団体、個人住民税が全国第11位、自主財源高も11位というなんともうらやましい住宅文化都市だ。

訪問先の「障害者雇用支援センター」は、H15年に市の「ふれあい就労支援センター」の3階部分を(財)箕面市障害者事業団が購入し、事業を行なっている。
H2年に市から10億円の出資を受け、財団法人の障害者事業団を設立し、5年間の検討を経て、授産施設や作業所ではなく障害者が職員として働く場をつくった。15年以前はプレハブでの事業開始、「めざすは一般就労だが、まずは自分たちの手で実践を!」との理念で、国の雇用義務、障害者の法定雇用率1.8%(従業員56人以上の企業)にインパクトを与える活動を実践、職業準備訓練と就職後のフォローアップを行なってきた。事業団の職員は正規職員が29人(うち障害のある職員は20人)と臨時職員、市からの出向など34人。
訓練の対象者は「働いたことあんねんけど、うまくいかへんかった」「ずっと家におんねんけど」そんな思いを抱く知的障害や精神障害のある人たちで、定員は15人、期間は1年以内、費用は無料、月〜金曜日の9時から4時まで、「働く力を身につけること」を目的にトレーニングをしている。
当日も地元企業から受注したタオルのダンボール詰め作業が一段落したところでジグソーパズルを楽しむ人や、細かいビーズの作業やボルトを締める訓練の最中の人もいた。毎日のリズムの中から集中力や労働習慣を習得し、作業実習が進むと職場見学や職場実習で力をつけていく。
働く力を身につけるためには、「意欲」「経験」「環境」が大切と、若きセンター長の下司さんがいう。目標をもち、記録をつけ、先輩の働く姿をみる。挨拶や体力づくり、そして実習で経験を身につける。周囲は力を発揮できる環境を整える。実際にカフェや花屋で訓練を行い、職場と本人とのマッチングを丁寧に行なうことで本格的な就労へと結びついていく。
職場は、レストラン・飲食店の洗い場、しこみ、スーパーの陳列や清掃、物流倉庫のダンボール組立て、洗車、介護現場、入力などの事務職と多彩だ。今まで112人が一般就労し、80人が職場定着してきた。正社員は1割程度だが、時間給で748円の最低賃金が保障されている就労だ

センターのスタッフは、企業訪問を行い事業主にアプローチする。実習する訓練生にあった支援計画を立て、スタッフが自ら体験をした後、2〜4週間の実習期間は同行する。その後も定着支援として巡回訪問、事業主への支援など「ナチュラルサポート」していく。辞めることが生じた時のケアこそが大事、ツケを回さないこと、とお聞きした。そして、毎月実施する「修了者の集い」で、支援の糸口を見つけたり、元気な仕事振りを確認しあうお楽しみの日を設けている。悩みも笑顔も分かち合う活力の底力を感じる。
障害者雇用は着実に進んでいる、とセンター長。国の指導強化、労働者不足、企業のコンプライアンス、地域貢献と意識が向上し、法定雇用率達成企業は43.8%となった。ユニクロ7%、マクドナルド3%と高い雇用率を達成する企業のもつ教育体制が障害者雇用に役立つ事例も伺う。
しかし、大きな課題に「障害者自立支援法」への移行がある。雇用支援センター(全国で14ヵ所)は来年4月に廃止され、就労移行支援事業と就業・生活支援センターへと移行することになり、利用料の1割負担が生じ、期限なしで行なってきた就職後のフォローアップも6ヵ月までとなる。1500万円の委託料で充分にケアしきれない部分は、自治体独自の支援策が必要とのことだ。

一般就労と滋賀県にみる社会的事業所、事業所型共同作業所とは両輪であり、就労への選択肢を拡げている、と語るセンター長。
こんなに先駆的に一般就労への道を開拓され、伴走を続けられてきた「看板」を下ろすことが、つくづく残念だと思う。(大塚恵美子)