養育家庭の体験発表会

2008年10月29日 03時55分 | カテゴリー: 子ども・教育

10月、11月は里親月間とのこと。毎年、この時期に開催されている東京都主催(児童相談所)の養育家庭の体験発表会に参加した。
様々な事情で親と暮らせない子どもたちが、都内に3900人、全国で4万人いるそうだ。虐待や親の死亡などによって家庭というモデルがない子どもたちを、実の親に代わって育てるのが養育家庭=里親で、都では「ほっとファミリー」という呼び名をつかっている。
しかし、まだまだ知られず、乳児院や児童養護施設で暮らす子どもたちが9割で、養子縁組や養育家庭のように家庭で育てられる子どもは9.4%に過ぎないという。オーストラリアでは91.5%が、アメリカでは76.7%が里親家庭などで養育される。この違いはなにか。
アメリカの友人、日系三世のAnnと中国系三世のAlton夫婦から、今年の夏、中国から養子を迎える決心をした、との手紙をもらった。確かに海外では珍しい話ではない。血縁だけではない家族のあり方、子どもの育つ力を助けるおとなの役割に違いはないはずなのだが。

今日は、身近に里親として、里子を育てている方の体験を伺うことができた。
Mさんは2人の小学生の実子がありながら、2歳の女の子を里子として3年半育てた方だ。ご夫婦ともに児童養護施設で仕事をされた経験があり、施設のよさも理解しながら、家庭での子ども時代の幸せな時間が必要、との思いから、実母との交流をもちながらの経験を話された。「向き合うこと」、Mさんは、パートナーと、実子と、里子とのつながりを紡いできた時間を話してくれ、里親であることをオープンにし、困った時には、近所の人の手助けを受けたことや、実母の元に返し、無事に小学校に入学した「末っ子」の成長にふれながら万感の思いで涙をこぼされた。

Kさんは、70代の里父さん。3人の男の子の養育が1870日、6年目だそうだ。初めは字も読めない、時計もわからなかった3兄弟のエピソードやご苦労を笑いに包んで話され、6つ叱って4つ褒める状況だそうで、昨日は珍しく100点を取ってきたと嬉しそうだ。「子どもが育つ魔法の言葉」を座右の銘に、おおらかに楽しい子育てをされている。非行に走りそうな子どももいるが、地域の目が虞犯化を防げる、「社会が子どもを慈しんでいるか」の言葉に涙が出た。

何人もの里子を預かる養育家庭もあるが、短期間でもでき、1年未満が30%、平均で4.2年だそうだ。養育家庭は25歳以上65歳までの夫婦が原則だが、子育て経験のある人や同居家族のある人も可能で、居室が2室10畳以上あることが条件。養育手当(34,000円)と一般生活費(47,000円)、児童相談所の支援がある。実子に対する心得、里親間の交流や研修、里親のレスパイトやリラックスのための訪問、里親の心のケアを行なうメンターのプロジェクトがあることも知った。
子育ての環境が整備されずに、子どもを廻るあまりに哀しい事件が多発する。憂うばかりの評論家ではいられない、と思った。向き合って愛される権利が子どもにはあるのだ。(大塚恵美子)