総合藝術 お茶会

2008年12月14日 22時56分 | カテゴリー: 日々雑感

今日は、あいにくの雨降りだったが、駒込・さつき亭でのお茶会に伺った。19日閉会日の追加議案が残っているが、ようやく議会も終盤に入った。少々ギアチェンジを。
裏千家の社中の喜寿と還暦を迎えられたお二人の茶人のお祝いのお席だった。還暦を迎えられたのはいつも明るく気配りの名人、敬愛する友人・宗章さんだ。本日はお濃茶のお点前を、しとやかにして凛とつとめられた。
30人を超す客であったので、いくつかの連客で席をうつる。はじめに薄茶席へ。床のお軸、花、香合、茶道具、茶碗など趣向が凝らされ、見事なお道具だ。今の季節の風景に見立てた綿の花と蝋梅のとりあわせがおもしろい。喜寿や古希、華甲(還暦)の文字を入れた朱色の塗りの香合など、お道具を取り合わせる楽しさがあるのだろう。立礼という椅子のお席だったので少々ほっとする。おめでたいお干菓子もお薄茶もおいしく戴く。
間に全員で点心を頂戴する。喜寿を迎えられたお仲間、還暦を迎えられたお仲間にお祝いを申し上げ、神楽坂の名店の懐石を囲んで、賑やかなかたらい。若い方が多くいらしたので、色合いの綺麗な着物姿がずらりと並び華やかで、「細雪」の世界のようだ。声楽を学んだ友人のF木さんのお嬢さんが即興でクリスマスに因み賛美歌を歌ってくださる。気取りのない和やかで楽しい雰囲気のお茶会で、一同、日頃のあれこれや思い煩うことも、しばし傍らにおいて心も眼も舌も満たされる。
その後、茶室に入り、宗章さんのお点前を頂戴する濃茶席へ。にじり口から入るのも、摺り足も先輩の方々の見真似やご指導で、どうにかこうにか進める。正客(宗章さんいわくカリスマ茶人)の心のこもったご挨拶や、お道具を拝見する審美眼、立ち居振る舞いなど、学ばせて戴く。小さな畳敷きの宇宙の中で、炉の上の釜が湯気をたて、静かに無駄のない流れでお茶が点てられ、暖かく親密な空気が漂う。「萬歳」という年を重ねることを寿ぐお軸や宗章さんの巣篭もりの鶴の香合、還暦に相応しい緋色のもち手の茶杓など心づくしが綺麗だ。段々に足が痺れてきたが、ほかでは堪能できない、もてなしの世界だ。
浮世から一時距離をおいたような一日だった。歌舞伎やオペラを観ると、謡や音曲といった技も衣装も継がれてきた伝統も同じ密度を共有する総合藝術であると感じるが、茶道、お茶会もまためぐる季節の中に身を置き五感を悦ばせる見事な総合藝術であると思う。(大塚恵美子)

【写真は、たまには馬子にも衣装ということで、ご笑納を】