風のがっこう・白石農園訪問記

2008年12月16日 09時43分 | カテゴリー: まちづくり

13日土曜日、練馬区の体験農園・白石農園に伺った。都内で体験農園発祥の地が練馬であり、2園目という白石農園の先駆的な「老舗」の取組みを拝見し、園主白石さんから話をお聞きする。
つい先日、「Festa In Vinyl」の会場だった白石農園を訪ねたばかりだが、そろそろ冬野菜の最後の収穫、今期の体験農園の卒業期ということで再度伺う。収穫をまつ元気でうまそうな冬野菜の真ん中に立つのは何度きてもいい気持ち。
練馬大根で知られる練馬区は住宅地に都市農家が混在している。白石農園の体験農園「風のがっこう」は125区画で5年更新。白石さんの作付け計画に基づく営農の一部分に市民の体験部分がある、そういった考え方、模索を17年前から4年間の準備期間で行い、練馬区は体験農園16ヵ所整備を長期計画に載せ、毎年1園開園し、現在13園を整備してきた。新しい都市農業のスタイルを農家の主導で描き、行政とタッグを組み、市民と共生してきた経過を伺った。
体験農園は東村山にも5園あり、浸透していると思っていたが、なんと都内ではまだ50園の進捗と聞く。「東村山もがんばっていて、園主会ができますよ」と教えて戴く。
3月下旬から開校した「風のがっこう」農業体験は1月いっぱいで更地に戻し、次年度に向けた受付がはじまる時だ。5年で卒業となるが、再度応募する形で10年、12年目の利用者さんもいらした。利用料は、区民は31000円(区からの助成が12000円)、区外の利用者は43000円だ。行政は農地・緑地保全の観点で、農家は営農経営の観点での取組みとして、農家が行政に替わって計画をたて、土に触れて野菜づくりをしたい市民を支援することに対する助成金の発想はすごい。
「風のがっこう」では、区画部分と「よい食材を伝える食の寺子屋」、「パルク自由学校」の参加者への授業も行なっている。ひっくるめると年間250人くらいの「生徒」が畑を訪れ農作業をする。東京都の認証を受けている有機農法で土壌消毒をしない「風のがっこう」に惹かれる生徒さんが多い。

この日は「風のがっこう」野菜作り講座(秋その8)ということで最終回だった。白石さんの説明の後、畑の中で水菜、ルッコラ、ネギ、キャベツ、ブロッコリー、春菊、ほうれん草、白菜、大根、人参など10種類の野菜の前で実地の講習が。冬野菜は寒さから身を守るため炭水化物、糖分を蓄えるから甘いとか、人参の葉がまだ青いので暖かい冬だとか、白菜は外側の葉でコートのようにくるんでやると中はいつまでもみずみずしいとか、保存の仕方なども講義される。1月いっぱいで更地に戻すときには大地にお礼肥えとして一輪車に山盛り4台分の堆肥を施しましょう、そして冬休みです、と締めくくられ、生徒一同うなづく。
その後、収穫した練馬大根のたくあん漬けの講習もあった。

生産緑地などの農地法や相続の課題などをどのような形でクリアし、都市農業を継続できるか、白石さんたちの挑戦が各地に広がっていく。園主会でノウハウを伝え合い、意見交換をし新たな食料基地、自然との共生、人のつながりなど緩やかで滋養の豊かな取組みだ。大地は水遣りはいらない、土の中の水分を求めて根が深くしっかりはれる。雑草をそのままにしておくと大事な養分を横取りされてしまうから草取りは必要、そんな風のがっこうの授業はとてもわかりやすく楽しい命の授業だった。私も生徒になりたい。(大塚恵美子)
【写真上は、風のがっこう授業風景、下は10年生、12年生の生徒さんたちと】