悩みあっても元気満載「ころころの森」シンポジウム

2009年3月22日 11時30分 | カテゴリー: 政治を変える

地域の子育てを考えるin東村山・「ころころの森」開設から半年たって

20日、子育て総合支援センター「ころころの森」でシンポジウムがあった。昨年10月に開設されたこ「ころころの森」は在宅で子育て中の親子が対象の子育て支援施設。1日200人もの親子が利用し、登録者数4531人、のべ利用者数は8000組を超す盛況だ。しかし、白梅学園大学、NPO、行政の三者協働運営の事業であること、子育てひろばとの違い、大学が運営に参加しているメリットが生かせているか、既存の子育て施設、施策との連携は円滑か、など先駆的な取組みゆえの課題も多い。「保育所待機児230人、児童クラブ待機児40人」という厳しい現実の中、子育て総合支援センター設立が評価される市長も参加し、半年を検証し、課題解決に向けた取組みが、なかなかおもしろかった。

まずは、基調講演の前田正子さん、元横浜市副市長でいらした方だが、歯に衣着せぬ魅力の持ち主で、アメリカ留学帰国後の子育て、保育施設の実情、行き場のない在宅子育ての孤立などの実感から、子育て中のママや子どもの行動、要求まで昇華されない声なき声、子どもや子育てにやさしくない社会の現実などを解析、代理し、横浜市に保育施設や子育てひろばを着実に形にしていった経過を伺う。
思わず「そうそうそうなのよね!」と惹きこまれるマインドの持ち主。とにかく、はんぱでないバイタリティと平らな言葉と行動で、行政や議会の「おじさん」と亘りあい、「こども青少年局」を立ち上げ、横浜にある種の転換をもたらした方だ。360万都市の横浜、毎年生まれる赤ちゃんは3万人、就学前児童20万人、在宅子育ての専業主婦世帯は85%、保育園の待機児も多く、在任中の4年間で116箇所の保育所と18ある各区にひとつの「プレイパーク・冒険遊び場」や「つどいの広場」拡充をもたらした説得力と知力腕力は圧倒的。
子育てにお金がかかる、との声が聞こえるが、言葉の奥の意味に耳を傾ける力が必要であることを学んだ、「ばらまきのお金でなく、子育てに本当に必要なものは個人のお金で買えない子育ての環境」その通りだ。

ディスカッションでは前田さんから「なぜ三者協働、しかもなぜNPOが3つも入っているのか、責任の所在は」と市の姿勢にずばり切り込むが、いつも雄弁な市長も迫力に欠け、やや役不足の感があったかな。
NPOの協働上の悩みにも前田さんは「NPOの好きなことをやるのではなく、社会で必要なことをやる」「安全確保の責任をどこがとるのか」と、きっぱり。
大学の業務委託についてはセンター長の汐見稔幸先生(白梅学園大学長)が語るが、先生も「ころころ構想」には途中参加のためか、大学が協働する意味、必然性が今ひとつ見えにくい。大学にとってはまたとない実践の場、今後の付加価値に大いなる意味がある取組みだが、「3年で検証の後、後方支援もあり得る」とのことをおっしゃるが、今いう必要があるのか?市民の総力発揮までは今少し時間がかかるのではないか、ちょいと逃げ腰ではないか? 汐見先生はさすがに「今の子育てには、人工的な放牧環境が必要」とか「子育ては世直しを伴う。つながって埋めていく人育ての場所が必要」など、むむむ、と思うフレーズが満載だが、前田さんの前には、これまた精彩を欠く。

前田さんのような副市長や教育長が私たちもほしい。あ、別にうちの副市長や教育長がやだ、とかいらない、とは言ってない。利いた風な建前でなく本音で闘い、しあわせが分かち合えるような前田さんのような女を活用しないのか、と思うからである。人口の半分は女性なのに、女性の声が生かされなさすぎ(少数に貶め、足をすくおうとするしね)。
それにつけても、26市中財政チープ度№1の東村山、あらゆる場面で財政難が影響を与える時世にあり、年間予算3500万円、水面下での課題の多い「ころころの森」だが、利用者の期待は高いのだ。運営主体の大人が悩みながらも、よかったここがあって、と子育てが肯定できるような社会づくりに緩やかな波紋を広げてほしい。(大塚恵美子)