すぎなみ移動カフェのセミナー「バス事業者のバリアフリー教育」に参加して

2009年3月23日 01時57分 | カテゴリー: 自分らしく生きる

「杉並区移動サービス情報センター」の主催で、「皆があたりまえにバスに乗るために必要なのは?」を共有しあう会が開かれた。1年半前から、杉並区内の福祉運送・移送サービスを担う団体の情報提供を区から委託されている「情報センター(樋口蓉子代表)」の活動は、2月末までに利用が1150件、参加団体は28から34団体へと需要・供給が拡大されてきた。今回は、福祉運送に止まらず、公共交通のバリアフリー化、使い勝手の向上について課題の提供をされた。

まず、澤田大輔さん(交通エコロジー・モビリティ財団・バリアフリー推進部)から、「バス事業者のバリアフリー教育プログラムの開発と普及」について報告があった。H18年から障害当事者、交通事業者、国土交通省等で構成する委員会でプログラムを検討し、鉄道やバスの事業者に対し、5回の障害当事者の参加を含めた施行研修会を実施してきた。移動弱者・交通不自由者とされる人たちが安全で快適に交通機関を利用するための、事業者の具体的な接遇、介助技術を身につけるためには、利用する人のニーズへの「気づき」、コミュニケーション能力を磨くことが大事とのお話だった。
つづいて、「バス利用の体験談と関東バスでの研修会の報告」を車椅子利用者の須田希さん(障害者地域自立生活支援センター「やなぎくぼ」職員)から伺う。3回の関東バスの研修会に障害当事者として参加し、車椅子の乗降の実技や、当事者からの要望のマニュアル化、グループディスカッションで交わされた当事者と事業者の意見や「気づき」について話された

私にとっては今まで気づかなかったことばかり。ノンステップバスも増えてはきたが、100%には遠く、電動車椅子はノンステップでなければ、介助者がいても持ち上げることは困難なこと、視覚障害者には、複数のバスが通る停留所で乗りたいバスが判別しにくいこと、道幅が狭くスロープの使用が困難なバス停が少なくないこと、スロープや車内の構造が統一されていないこと、そして、車椅子の固定については安全上の義務とはいえ、柔軟な対応を当事者が望む場合があること、「障害をおもちの方が乗降されています」などのアナウンスで乗り合わせた人の理解を助けることなど。私自身が、障害のある方に対し、お手伝いが出来ない状態でいることが多く、悔やむ場合がよくあり、相互理解の不足、意思表示の不足を思った。北欧などでは、交通弱者の乗降を助けるのは、お客の役割とも聞き、なかなかそうならない日本社会のあり方に思いを馳せる。
澤田さん、須田さんのお話から、研修によって理解し、ディスカッションで感性を磨き、具体的な行動、コミュニケーションにつながっていく社会の気づきと受容力を育てることが大事だ、と痛感。
参加者は、車椅子利用の方が7人、タクシー・バス事業者6人、団体の職員・区の職員8人、介助者、生活者ネットの議員3人と多様な顔ぶれ。「移動カフェ」の名のとおり、コーヒーやサンドイッチ、お菓子を手に、楽しく歓談する時間をもてた。
当市の渡部市長も先日、視覚障害者の方々のリードでアイマスク体験から「気づき」を得られ、具体的な施策への反映が期待されている。さまざまなチャンスを生かして、バリアを溶かす街でありたい。(大塚恵美子)
【写真は、須田希さん、市橋綾子杉並区議会議員と一緒に】