TRCと図書館を語る

2009年4月19日 12時44分 | カテゴリー: 本の楽しみ・図書館・学校図書館

ジモッピーN 市民会館と地域をつなぐ会(武蔵野)学習会

18日、武蔵野市の市民グループによる、TRC(株・図書館流通センター)の吉田修一さんをゲストに「図書館を語る」集いがあるというので、出かけた。
18人が参加の会だったが、なんと東村山からは同僚議員の薄井さん、中央図書館司書も参加され、4人が「東村山ジモッピー」だった。
自己紹介にはじまり、図書館に参入する民間企業の中核の方とのやり取りは、あっという間の3時間、なかなかスリルと刺激に満ち満ちていた。
吉田さんからは、TRCが既に全国の図書館85%のデータ管理をしていて、大元の保存は大日本印刷がされていること、図書館の業務委託は14年となりノウハウの蓄積がなされ、指定管理を含むと合わせて196館に参入、400億円!もの「図書館」マーケットの1/2はTRCが占めていることなどを伺う。ほぼひとり勝ち状態のTRCであることは予測していたが、数字で示されるとリアリティが増す。
武蔵野市の図書館は3館(あの武蔵野で3館は少ないよね)で、武蔵境南口で建設が始まった大複合施設「武蔵野プレイス」に図書館が入り、指定管理者を導入する計画に。子ども2人が武蔵境にある都立高校に通っていたので、当時は何やかんや6年間この辺りには縁があったが、今や大規模な建物や公共施設も増え変貌している。さらに再開発か。
だから、現実に武蔵野市民の指定管理者への不安、また私たち東村山市民からすれば、図書館への指定管理者導入も、第3次行財政改革大綱の中で視野に入り、目の前のできごとになってきた。それぞれの参加者の図書館観を交え、民間企業が無料原則の図書館で、進めたい理念、描く図書館像、今後可能なサービスなどを質問しながら会は進む。
今までの公立図書館とは異なる新しいサービスの提供、例えば図書館のカウンターで、購入したい本のネット通販(現在、本屋でほしい本が手に入らない)も併せて行い、購入額に応じたポイントを区に還元する、というサービスも展開する。その他の自主事業はまだ道半ばのようだが、TRCが既に獲得したデータ、出版・物流、ネットワークが機能すれば、お手の物の感がある。加えて、外部データベースの利用などに受益者負担が出てくる可能性を感じてしまった。利用者には簡単便利な図書館となり、行政にとってもお任せすれば、人件費削減、コストパフォーマンスもあがり、企業側は、利益もグループ内で循環するから商売として帰結する、という具合か。ついついこんなことを考えてしまう。

私は、図書館に365日の便利や費用対効果(即効力なんてないでしょ)を追及しないたちなので、図書館だけのヘビーユーザー、とにかく貸せばいい、なんて聞くと奇妙である。無償貸し本屋でないサービス、例えば、誰も拒まず(寝る人もホームレスも)生きるための気づきや知る権利をゆっくり待ってあげられるところ、人が自立するためのフォローができる場所、ひとつのまちづくりの拠点であってほしいのだ。そして、図書館が図書館の外に出て、行政の縦割りを柔軟にやぶり、学校図書館、保育園・幼稚園、商工会、ハンセン資料館、病院、市民などをつなぐ核として、コーディネーターとして機能してほしいのだ。今、十分ではなくとも、それに応えてくれているのが東村山の図書館なのだ。だから、私は、市民参画でつくられ、市民とともに専門性を育成し、継承してきた図書館の役割を失いたくない。指定管理者に地域力をもつ継続性、専門性を代わることはできないと思っているから。
コストが安いのは悪いことではないかもしれない(働いている人の賃金が250万円くらいでよしとすればね…)、でも、自治体が「図書館ってなんだろう?」というものさしをきちんと構築できず、自負もなければ指定管理者のプロポーザルにいちころだろうし、協定の内容も要求水準もお任せで、低きに流れ後で加算が増えちゃった、ということにならなければいいけれど、5年で変わる指定管理者(継続が多いとは思うが)にどのような継続性を求め、評価をどのようにするのか、まだ図書館指定管理者の歴史は短すぎて検証もできないままだ。規制緩和を進めてきた国会の付帯決議も疑問を呈しているしね。
指定管理者を導入しないことを公表している自治体は400強あるが、私たちのまちの図書館はどうあったらいい、を昨日の会のようにもっともっと話をする機会をつくらなければ、と思う。
図書館語ると長くなってごめん!(大塚恵美子)