障がい者雇用を進める「東電ハミングワーク」

2009年5月13日 08時36分 | カテゴリー: 自分らしく生きる

12日、先輩議員の鈴木さんの誘いを受け、議員6人で日野市にある東京電力子会社の「東電ハミングワーク株式会社」の障害者とともに働く現場を訪問した。

20人にひとりが障害者であるにも関わらず、雇用は1割にも満たない実態だ。東京電力では498人の障害者を雇用し、法定雇用率1.8%を超え1.95%を達成している。しかし、現場労働の多い29社のグループ会社の平均は1.39%で、民間平均を下回り、身体障害以外の方たちの雇用が不十分、との話を鬼怒川取締役から伺う。
昨年10月に営業が開始され、障害者雇用促進法によって今年の2月に特例子会社の認定を受けた「東電ハミングワーク」では「共育・共生・共有」の理念が掲げられ、従業員数66名のうち障害者が43名雇用されている。27万㎡という小さな丘全体の広大な敷地に東京電力総合研修センターの施設があり、そこを労働の場として、清掃、印刷、園芸、文庫整備の事業に取組んでいる会社だ。
健常者の班長さんと共に同じ制服に身を包み、多くは知的障害のある方だが、聴覚や視覚、身体、精神の障害のある方々が従事していて、平均年齢が24歳という若々しい会社だ。

清掃事業は、7つの班体制をとり、キャリアのある班長さんと共に、一日に300人もの東電社員が使う研修施設、宿泊施設、庭など全ての施設の清掃(窓ガラスの清掃以外)に取組む。活き活きとやりがいをもって働かれている様子がみえる。
印刷事業も障害を克服できるような工夫が取り入れられた機械を導入し、5名で、製版からオフセットのフル印刷に取り組み、東電グループ全体の広報印刷物の1割程度を作成している。ここでは、東村山のコロニー印刷から転身された2名の方が経験者として活躍されている。
園芸事業は、ハイテク設備の温室があり、発芽から実生の植え付け、育成、植え込み、管理まで一環して達成感のある取組みを行なっている。年間6種類の花卉を育成する計画で、今はペチュニアを育てていて、集中されて種子の植え付けをされている様子を見学させてもらった。
その他、東電の元顧問、故平岩外四郎氏の蔵書4万2000冊が「平岩文庫」として寄贈されており、その管理や貸出などにあたる図書館事業にひとりが従事している。
処遇は、一般就労と同様であり、障害者手当と合わせれば、十分に経済的に自立できる給与体系だ。社会性を身につけるため自力で通勤してもらい、生活面での自立もサポートする会社の姿勢が通路に貼られている「ハミングボード」という社内誌からも覗える。
多目的トイレや畳敷きのスペースのある休憩所、点滅式の非常灯など、働きやすい目配りがある。

今後2年間で更に40名を雇用していく目標があるが、課題は、他の企業と同様に、精神障害者の受入れが途半ばであることだ。就労支援機関との連携や病気のコントロールをフォローする体制など、伴に走る息の長い取組みが必要なのだが、未だ企業にはその体力=耐力がないということなのだろう。
ユニクロやマクドナルドの取組みがよく知られているが、東京電力という大企業が社会的責任、コンプライアンスとして率先して障害者の一般就労に取組む意味は大きい。今後の波及に期待したい。(大塚恵美子)