ようやく決着? 母子加算復活

2009年10月23日 08時59分 | カテゴリー: 女性・生き方

一度廃止された制度を元に戻すには、敷き変えられたレールをどこに収めるか、復活のための財源はどこから捻出するか、で一苦労なのはよくわかる。政権交代によって、真逆にベクトルが変えられようとしているのだがら摩擦も多く、叡知をあわせる人材育成もこれからならば、なおさらのこと。
長妻厚生労働大臣もそうでしょうが、でもセイフティネットとしてのニーズはどこにあるのか、ぶれないで戴きたい。ようやく生活保護のひとり親世帯に対する母子加算(これは男性世帯でも可能)復活が12月ということで決着したらしい。
母子加算が3年間で全面廃止となったことで、さまざまな波紋やご意見を戴いてきた。仕事として調査してきたニュージーランドや北欧、ヨーロッパでは、シングルマザーに対する経済的支援は、ほとんど整備され、ひとりの収入の1.5倍からの支援が多い。その上、教育費は就学前から大学まで無料の国が多いし、子どもに対する手当てもある。
今年4月までの3年間で段階的に廃止され、全国では10万世帯に影響が出た母子加算廃止だが、東村山では、105世帯に影響が出ていた。18歳以下の子どもがいるひとり親世帯に子どもひとりについて月額23260円が支給されていたものだ。全廃の代替案として、ひとり親への就労支援が実施されていたが対象が限定され、生活の厳しさは募るばかりだ、と聞く。子どもに対する高校就学費や学習支援費は続投らしいので、ようやく小さな一息がつけるか、というところだろう。
ひとり親の中でも、シングルマザーは、非正規雇用が多く、複数の仕事をかけもちしないと一定の収入につながらず、社会保障の枠内に入らないので、体を壊したらアウトだ。非正規雇用の上に、女性である間接差別が生じることで2重の差別構造の中にある。
しかし、シングルマザーに対するバッシングは以前よりあったが、母子加算に対し、ネガティブキャンペーンがウェブ上で横行していることに最近気づいた。つまり、「人並み」の生活を望んではいけない、というように聞こえる。
これが、日本の福祉の限界を象徴しているように思う。競争力のない自助努力のできないものは、このレベルで甘んじろ、と。
シングルマザーだけではない、子ども、障害のある人、高齢者・・・社会福祉、地域福祉の課題の中に内在されたことばかり。これからも、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法、年金制度と、掛け違ったものを軌道修復するのは容易なことではないかも。でも、現状に向かい合ってほしい、ひるまないで。
新型インフルエンザワクチンの接種についても二転三転が続く、あーあ、と思うが、何十年かけてどうしようもなくなった堅い皮をなめすのは、2ヵ月では無理なのだと思う。
でも、待てない命がある、これが現実です。(大塚恵美子)