経営戦略としてのワークライフバランス

2010年1月21日 12時05分 | カテゴリー: 政治を変える

ワークライフバランスって「仕事も家庭生活もどっちも大事」ということのはず。わかったようなわからないような掛け声だけの「ワークライフバランス」を今一度紐解き、経営戦略としても有効な手段とする渥美由喜さん(東レ経営研究所)のお話を伺う学習会があった。

ご自身の大企業からの転職、育児休業の取得、地域の子ども会ボランティア活動などの体験を踏まえた、男性にこそワークライフバランスの意味、男性が自身の多様性を身につけるために必要、と始まった話はなかなか説得力をもつ。
渥美さんは話の展開が上手。女性のハートが結構わしづかみにされるキモ、シンパシーがあるのだ。
こういう方が内閣府の「少子化社会対策推進会議」や東京都、埼玉県、滋賀県、石川県、福岡市、世田谷区の少子化対策の委員を兼務されているそうで、稀少価値のあるオトコってやはり少ないのね。

不況期こそ業務体制にメスをいれ業務効率を上げる努力をすることで今後の明暗が分かれるとの話があったが、改善やリスク回避策としてワークライフバランス(WLB)が有効というのも女性ならば、かなり実感できるものだ。過労うつが原因で自殺した人は6割増、30歳台が40%というデータがある。社員タイプ別でみると、うつ予備軍となる「過労バリバリ社員」とWLBを活用して働く「イキイキ社員」の生産性カーブの対比から、WLBが平準化すると、生産性は上がり、必ず時間外勤務・残業は削減できるとのことで、これは公的セクターでも可能、とのことだ。北九州市では個人表彰というのをやっているそう。

しかしながら、国や自治体への浸透度もまだまだだし、企業のトップのコミットメントの不足、業務管理、各種制度の導入と利用しやすい環境づくり、なにより他者を受容する従業員の意識改革が結構難しいということだろう。
でも、成功している事業者は、WLBを実践しているとの事例をいくつもあげられた。まず、石川県の老舗旅館、日本一の評価の高い加賀屋さん。日本で一番シングルマザーの雇用率が高く、保育室、学童保育も充実し職住近接の働き方ができ、宿泊される方の身になったサービスが展開されているそうだ。中小企業でもひとりひとりのニーズを汲み取る体制をとる企業が総理大臣表彰「子どもと家族を応援する日本」を受けた事例も紹介された。相手の時間への敬意をもつこと、働きやすさが業績もあげるのだ。こういう話は本当に元気になる。

人間らしい働き方、なんでそこに気づかないフリをしているのか。ここが日本全体の改善されない体質だろうね。
最後に渥美さんからのメッセージ、キーワードとして、これからの地域づくりに女性の視点を、WLBは男女ともに地域で子どもをみる当たり前の暮らしであり、地域活性化に不可欠。
そうです、この実践は即ち政治にもつながるよね。(大塚恵美子)