男女共同参画10年、竹信三恵子さんとの10年

2010年3月24日 10時22分 | カテゴリー: 女性・生き方

男女共同参画推進フォーラム「男女共同参画基本法から10年」

22日、市民センターで、男女共同参画市民推進委員会、男女共同参画課共催の講演会が開かれた。1ヵ月位前に手にしたちらしで竹信三恵子さん(朝日新聞編集委員)の講演があることを知り、おっ、竹信さんとはいい度胸だな、と思い、手帖に書き込んで久々の再会を楽しみにしていた。
昨年は「忙しくて泣きそうな一年」と年賀状にあった。「貧困ジャーナリズム大賞」を受け、欧州取材に駆け回り、出版された「ルポ雇用劣化不況(岩波新書)」は、反響をよび、「日本労働ペンクラブ賞」を受賞された。
彼女は機知に富み、すこぶる回転が速いので、独特の言い回し且つ早口となる。いつもの理論と実践の展開が反映されたレジュメも切り口がすごい、でも時間は足りないだろうな、やはり1時間半では語りつくすことはできず、後半は駆け足に。
男女雇用機会均等法施行1985年の同じ年に年金の第3号被保険者制度、そして労働者派遣法もスタートする。これが女性のみならず労働全般に大きな影響を与え、女の生き方、働き方を分けるきっかけを生んだ。
確かに、男女共同参画基本法が成立したあたりから直接的な女性差別は減った。男女平等おっと共同意識は浸透したかにみえる。でも、実態はどうだろう。私もよく使う国連の「GEM ジェンダー・エンパワメント指数」、これは女性の登用、参画、賃金格差などからみた活躍度指数といったもので109か国中57位である、なんと。
世界第2位の経済大国である日本は、性別役割分業とアンペイドワークの家庭内福祉によって「妻つき男社員モデル」を支えさせ、女性の活用をしてこなかった。今、はっきりとそのつけが回ってきている。産業構造転換に間に合わない事態に気づくものの、人件費削減、非正規雇用化を更に推し進める雇用劣化の道を走った。オランダ、デンマークに象徴されるヨーロッパや北欧の労働政策の基本である同一価値労働同一賃金、均等待遇を根底に女性の活用、ワークシェアリングで実質的なワークライフバランスを進めてきた国々との較差が浮き彫りとなっている。
均等法で振り分け、「夫のいる妻モデル」をスタンダードとし、低賃金、悪条件を放置したことで女性のみならず労働全体のワーキングプア化を招いた。ひとりでもやっていける賃金のしかけやものさしが未整備のため、雇用の劣化が引き起こした不況が蔓延している。ひとりでも生きられる労働政策の不在が、女性問題の根っこをまた支配する負のスパイラルが起きている。
女が生きやすい社会は当然、男も楽に自由になる社会。リスクを集中させない両立モデルで男女共同参画基本法の改正に期待したいのだが、イマの政権大丈夫か・・・
自立観の建て直しとして、自立とは他人に頼らないことではなく、必要なときに適切な人に「助けて」と言える力のこと、と竹信さんは言う。男のみなさん、ひとりで頑張らなくたっていいんだからね。

日頃、超多忙な彼女とは12,3年に及ぶおつきあい。ここ3年くらいは会う機会もつくれず、久しぶりの再会を個人的にも楽しむ。
散会後、お茶に誘って暫しお喋りをする。公務労働のワーキングプア化、指定管理者、改正派遣法の穴、窮屈な政府委員など話題は尽きず、言葉も尽きず。
帰りしなに、カフェにあった小さなピンクのイアリングに目を止めた彼女。「ねえ、どっちがいい?」「こっちの揺れてるのがいい。」「そうだね、これください!」
しなやかに、これからもきっぱり物を言って、書いてね!あなたがつくった波紋は、いつも必ず拡がってきましたから。(大塚恵美子)