雨水利用のまち墨田区へ

2010年5月2日 15時30分 | カテゴリー: 環境

他市の生活者ネットワークの仲間たちに誘われ、6人で墨田区の雨水利用の現場をたずねてきた。年間に使われる水の量を上回る雨が降るという東京。豊かな水資源として雨水を見直し、貯え、活用し、浸透させようという水循環に25年前から取組んできた墨田区。1982年には両国国技館に雨水貯留タンクを設置、江戸東京博物館、墨田区役所も雨水や雑排水の活用に取組むシンボル的存在だ。そして現在建設中のスカイツリーも地中に雨水タンクを設置し、雨水活用が計画されている。

まずは小村井駅近くの「すみだ環境ふれあい館・雨水資料室」へ。廃校となった小学校を使い、雨水から学ぶ環境学習拠点、体験型ミュージアムで、運営は「NPO雨水市民の会」が受託し、ガイドや講師をつとめ、地球規模の雨水利用ネットワークを進めている。ご案内を戴き、各種雨水タンクや雨水浸透枡、バングラデシュやスリランカの雨水タンクを観察する。東村山市内でも北庁舎前のゴーヤの水遣り用タンク、ちろりん村や小学校などでも雨を屋根から集める雨水タンクの設置が増えてきた。自宅でも設置しやすい150ℓのタンクもあり、我が家でも庭の散水用に検討したい。
水琴窟の模型で澄んだ音色を聞き、雨水浮遊装置でしずくの形状を見たり、興味深いしかけも数々ある資料室だ。

ペルーのリマでは年間の降雨量が2mm、バングラデシュでは3240mmという差に驚くとともに、日本には世界平均の2倍の雨が降ることに思い至る。また、世界規模で蒸発する水と降水の量はほぼ同量とされ、平衡が保たれているという自然の法則に驚き、集中豪雨と渇水の表裏の危ういバランスに気づかされる。
墨田区では、1995年からマンション建設など一定規模以上の開発行為に対して、雨水の貯留・利用と浸透舗装を指導。雨水浸透枡と同様に、都市のミニダム・雨水タンク設置にも補助金がつき、370基を超すタンク(家庭用219基、大規模タンク159基)に助成し、総貯水量は、なんと13000t!

街中では、雨水貯留タンクと手押しポンプの井戸をまちのポケットパークや公共住宅などに設置した「路地尊」といったシンボル的スポットが21箇所ある。「水資料室」を後にして、お次は「路地尊」探しをすることに。下町情緒の残る商店街を散策しながら、「すみだの雨水利用ガイドマップ」を片手にお目当ての路地尊を何箇所か発見。周辺の家屋の屋根から集めた雨水を貯留したもので、手押しポンプでほとばしる雨水を汲み出してみる。ひんやり冷たい恵の雨。

その後は、お楽しみということで、言問団子のお店で一服、続けてはしごで長命寺の桜餅もひとつ。隅田川テラスで川風に吹かれながら、浅草・吾妻橋まで初夏の散歩を。
気心の知れた仲間たちと豊かな雨文化に触れながら、ちょっとしたゴールデンウィーク気分を満喫した一日。
これからは、ますます雨が気になるだろうな。(大塚恵美子)