海兵隊は抑止力ではない 向う相手はアメリカのはず

2010年5月31日 01時02分 | カテゴリー: 平和・憲法など

普天間基地の移転先を辺野古沿岸部として、日米共同声明を発表したことで、社民党の連立政権離脱を引き起こし大揺れの内閣。
終わらない占領をつきつけられた沖縄の怒りはもっともだ。溜息が出る。沖縄、辺野古市民の容認などあるはずがない。しかし、政権に対するメディアのバランスを欠いた取り上げ方、バッシングがあまりにひどすぎはしないか。批判だけでことは済まない。
先日、東京・生活者ネットワークの国政フォーラムで、ジャーナリスト、軍事評論家の前田哲男さんをお招きし、「憲法と日米安保 普天間基地と米軍再編」について学び考える機会を得た。
問題の本質は、「占領の継続」としての沖縄米軍基地の存在だ。沖縄の面積は国内の0.6%、そこに74%の基地が集中する。沖縄の基地と本土の基地との違いは大きい。沖縄は米軍の上陸地であり日本攻撃の遂行基盤とされた土地だ。占領の地が基地として継続され、3分の2が民有地、地主が4万人いるという。1972年の安保条約、沖縄返還協定により本土復帰とされたものの、その実態は米軍基地の継続使用を容認したものとなる。
普天間飛行場から海兵隊が、かつてはイラクへ、今はアフガニスタンに飛ぶ日常。海兵隊は「抑止力」にはなり得ない、と前田さん。そもそも「核抑止力」以外に「抑止力」という実態は有り得ない、いかにアジアの情勢が不安定であっても、これを沖縄、日米安保にもってくるのは誤り、と。アメリカにきり存在しない海兵隊は陸・海・空軍から独立した遠征隊であり、水陸両用、突入拠点確保を行なう急襲部隊にほかならず、6ヵ月のローテーション編成で、つまりそこに常駐することのない存在なのだ。「抑止」の意味を持ち得ない、お門違いということだ。
いまや改憲論者の翼は折れ、国民投票法は施行されたものの、憲法を変えたくない国民は67%だ。いま向うべきは、憲法の具現化、安全保障の見直しであり、自衛隊の改編、軍縮プログラムなど9条の現実化を政策化した「平和基本法」を制定しよう、というのが前田哲男さんの提案であり、思想でもある。
政権交代がチャンスだったはず、政権交代の意義を掲げて、向うべきはアメリカだ。国際法違反ともいえる日米安保のマイナスの部分=日米地位協定の改定に向き合うべきだ。治外法権も思いやり予算もおかしい。フィリピンもドイツも韓国も、国内法優位の原則によって地位協定を変化させてきた。どうして、日本だけが向かい合えないのか?自民党が外務省が従属してきた「長い戦後」のせいだとしたら、もうそこには立ち戻れない。
オバマ大統領の訪日が11月、その前にアメリカの予算審議があるという。米国内にも普天間撤退容認論、グアムや北マリアナへの全面移転の考えもあるという。
冷戦の構図はもはやない。どう考えても軍事力で平和はつくれない。東アジアの共同体は、アメリカ抜きで実現させるしかない。鳩山さん、まだ間に合う!(大塚恵美子)