終わりの見えない保育園事情

2010年6月17日 10時31分 | カテゴリー: 子ども・教育

川沿いの散歩を楽しむ子どもたち
川沿いの散歩を楽しむ子どもたち
今年の認可保育園待機児は209人、昨年を上回る結果となった。だから、6月になっても、悲鳴に近い声がやまない。給料をほとんどはたいて一時保育でしのいでいるが、なぜ、入れないのか、と納得のいかないご相談を数多く受ける。が、不明瞭な点を担当に確認したり、聞き取りで知りえた情報(何も特別なものではない)をお伝えするくらいしか出来ないのが現状だ。ひらたく言えば「保育に欠ける指数」で優先順位を決めるしくみなので、個々の家庭状況まで加味できない部分は大きく、ここが市民には納得がいかないのだ。家業の自営業を手伝っている(指数が低い)、同居している祖父母がいるがご商売をされている(加点なし)、高齢者の介護も重なる(加点なし)、雇用主から働く時間が抑制され不規則なパートでしか雇われない(指数が低い)、兄弟2人が同じ保育園でないと現実的に送迎ができない、などせつない事情ばかりだ。指数で救ってもらえない多様な生活事情が浮き彫りとなる。

現状の就学前の児童数は約7500人、そのうち認可保育園に1781人、認可外保育施設に230人、幼児教室に43人、幼稚園児が約2500人、そして在宅で育てられている0・1・2歳児が3000人となっている。
来年4月には本町ⅰタウンに100名規模の認可保育園(民設民営)が、H24年には青葉町の都老人施設むさしの苑跡地に、100名規模の認可保育園(民設民営)が新設される。多磨全生園敷地内での保育園開設も借地料に折り合いがつきそうだとされ、俄かに現実味を帯びてきた。沈黙の10数年の後、ようやく射して来た薄い光。でも、まだ時間はかかるし、社会事情は刻々と変化し、保育のニーズは増加し、追いつかない。その間に子どもたちはどんな状況にあろうと成長してしまう。
通常国会が閉会し、多くの取りこぼしをしながら、いよいよ参議院選挙に向う。民主党は、女性の労働力を取り込むとしているが、労働政策と子育て支援は両輪であり、報道されている幼稚園と保育園の一体化だが、現状の認定こども園ではなく、縦割りを排除した幼保一元化となるのだろうか。それに一体いつ実現できる話か。ワークライフバランスがいっこうに緒につけず、国として維持する一貫性のなさ、責任は大きい。

6月議会では、市民から出された「東村山市における各種認可外保育利用者への助成金拡充に関する請願」の審査が厚生委員会で始まった。所得水準に応じた保育料が算定される認可保育園と比べ、認可外保育施設(認証、保育ママ、認可外保育室)は所得に応じた保育料の規準設定が整備されず、保育料の較差が大きい。認可外保育施設においても、所得水準に応じて保育料を負担する制度を求める内容だ。以前も同様の請願が採択されたまま、抜本的な改善、施策化がされず、度々議会でも取り上げられ今に至っている。
市の取組みとしては、認可外施設の入園料を半額補助、今年度から第2子以降の多子軽減措置として月額5000円の補助が予算化された。しかし、第2子以降に限定され、認可保育園との較差を埋めるものではなく、本質的な課題解決には至っていない。
所得捕捉のあり方、財源の確保、保育園の役割など今後、委員会での審査が継続される。

保育園については、3月のHPに書いたが、公立保育園の民営化が大きな課題としてある。認可保育園を増設するためにも財源確保が必要であり、民営化に踏み込み、8園の公設保育園のうち4つを残して民営化を進めるというもの。民営化のためのガイドラインが市民参画で策定され、市立第2保育園が指名されている。H24年開設をめざし、今夏、事業者選定が行なわれる予定となっている。しかし、第2保育園の保護者を中心に、市の情報不足、情報の遅れなどが指摘され、充分な協議や理解を得ているとは言いがたい。
この問題はピンポイントで名指しされた第2保育園の当事者だけの課題ではない。東村山の子育て支援総体の課題であるのに、当事者だけが孤立化し分断されてしまうことであってはならない。(大塚恵美子)