七中の図書館はいいですねえ

2010年6月27日 10時05分 | カテゴリー: 本の楽しみ・図書館・学校図書館

久しぶりに、市立七中の学校図書館を訪ねた。七中は、ふたりの子どもたちの出身校でもあり、富士見小とともに、特別な思いをもつ身近な学校だ。今回は、図書ボランティアとして活動している友人たちの働きぶりをじっくり楽しませてもらった。
校舎の4階にある図書館は明るく、開放的で、風が通り抜ける。以前の図書館事情を知っている人ならば、その変身ぶりにびっくりだ。
学校図書館に専任の司書が配置されていない東村山では、12学級以上の学校に司書教諭がいるが、もちろん担任や授業を受け持つ兼任で、未だに図書館が終日開館しているところはないに等しい。そこを学校ごとに「なんとかしなくちゃ」と自主的に動き出した図書ボランティアさんたちが、立てなおしに取組んでいる。
市立図書館も「子ども読書活動推進計画」に位置づく学校支援を積極的に行い、ボランティアの研修や、実際に使える「学校図書館の手引き」を発行し、図書の購入から廃棄手続きまでの応援体制をとっている。

七中は、市内でも、OBを中心としたボランティアの活動が定着し、生徒の図書委員会の活動がしっかりあるところとして知られた存在である。
12,3年前は「荒れた学校」で、図書館のそうじを頼まれた保護者=いまの図書ボラさんが遭遇したのが、ダンボールに詰められたまま放置された図書だ。このことに、学校の状況を見て取り、「何とかできないかな」との思いが紡がれ今に至る。大きな転機は5年位前にやってきた。図書館活動が活発な区部から異動されてきた先生が、古く溢れた図書の除籍を提案されたそうだ。そこから七中図書館改造が始る。いまや必殺図書館改造請負人として名を馳せる児童文学の評論家・赤木かん子さんが改造を手がけた図書館を見学し、実際に「かん子セオリー」に沿って書架の位置や空間の使い方、2800冊の除籍など改造が進められ、今なお進化の過程にある七中。七夕飾りが入口で生徒たちを待つ。
いいですねぇ、帰りたくなくなる、午後から用事があるというのに・・・どうしよう。
低めの書架には、本を手にしたくなるようなゆったりした配架がされ、小物を生かしたサインや見出し板のセンスのいいこと。学習に必要なトピックス的な棚、目を惹く映画のちらしと原作本たち、多磨全生園の平沢保治さん由来の平沢文庫が人権を考えるコーナーをつくり、人気のあるヤングアダルトノベルズのコーナーも目立つ。閉架の本を含め蔵書数は5000冊くらいか。
話を聞きながら、本をめくり、つい「ねぇ、これ借りたい」、めでたく七中PTA・OBとして登録、「蝶々喃々」がよかった小川糸さんの「食堂かたつむり」を借りました、ありがとう。
壁面の飾りも、ぬいぐるみなどの配置もさりげなく心地よく、生徒たちが、一息も二息もつける敷居の低い居場所となっている。
学級で2人選出する図書委員はとても人気の高い「職種」で、昼休みに学年2人づつ計6人で、ひとり一冊の貸し出しを行なっている。一年で150冊を借りた生徒もいるとのことで、感心してしまう。一日80人から100人がやってきて、一冊の本を数人で覗き込む男子、新しく入った本を見つけ、駆け寄る女子など、月に2回、活動しているボランティアさんは、主役の生徒たちの様子を眺められることが何より嬉しいみたい。
七中だけだと思うが、図書準備室があり、閉架書庫の役割とボランティアさんの活動場所、季節を彩る小物類などの保管場所にもなっている。
ちょうど、6人のボランティアさんが楽しげに、寄贈本の装備や飾り付けの準備をしながら、修学旅行の奈良・京都に因んだ展示について話し合っているところだった。丁寧な視点と手が入り、校長先生の意欲も得られてしあわせな七中だ。
月に数回でも、図書委員をサポートし、日常の維持を図書担当教諭との連携でボランティアが行なっている好例だが、学校との関係がスムースなところばかりではなく、図書担当の先生の興味の差、引継ぎ、そしてボランティアの継続、育成など課題は多い。こまごまかかる経費の捻出、なにより図書館計画、蔵書計画を構成する専任司書がいないことがなんといっても悩み。
でも悩んでいても始らない。吹き飛ばすような地域の力が結実しているなあ。
そうそう、7月半ばには、ひとり4冊の夏休み前の出前貸し出しを図書委員会が行なう。また、行かなくちゃ!(大塚恵美子)