刺激的な所沢市の事業仕分け

2010年6月28日 10時43分 | カテゴリー: 政治を変える

26、27日の両日で開催された「事業仕分け」を傍聴してきた。初日午前中は2つある会場のうち、第1会場で、27日午後は課題にそって2会場を移動した。
初日は大盛況で、今回、お誘い戴いた総合政策部のK氏によれば、2つの会場を合わせて300名の傍聴者が参加、とのこと。また、「保育園給食事業」など事業によっては立見が出るほどの反響だったそうだ。
各日2時間くらいの傍聴だったが、まことに刺激的。時間が許せば長く聞きたかった。

対象の事業は40事業あり、仕分け人は6人だが1人がファシリテーター、政策シンクタンク・構想日本、市内有識者、公募市民で1チームを構成し、同時に2会場で10時から4時過ぎまで休憩をはさみながら、1事業30分程度で仕分け・評決していく。
私は「広報紙発行事業」「はり・マッサージ施術費補助事業」「歯科診療所事業」「図書資料等収集整備事業」そして「学校給食調理業務委託事業」「水洗便所改造資金貸付事業」「花と緑のオアシスづくり推進事業」「確かな学力定着事業」の8事業仕分けを傍聴。
所沢独自の施策も多く、「歯科診療所事業」は、所沢市保健センター館内の診療所において医師会を指定管理者として、在宅要介護者、障害児、休日緊急診療を行なうが、仕分け人からは、市が実施する必然性・医師会の独占でいいのか・市全体で医師会に委託料等はいくら支払っているのか・診療時間は利用者にとって適切か・訪問診療こそ必要・保健センターのハコモノを含めたトータルコストは、など鋭く矢継ぎばやの指摘がつづく。担当職員はかなり緊張され、表情は強張り、うまく応えられない部分も多い。最初の説明を含み約30分で評価となり、不要1、民間化2、市改善2で、チームの評決は民間化、ということに。
「学校給食調理業務委託事業」は、32小学校、15中学校のうち、自校式の他に給食センターが2ヵ所あり、それぞれに市の栄養士が配置されている。自校内調理ができる15小学校の民間委託化が現在9校で進行したが、今後の事業化についての議論となる。自校調理場の整備を進めつつ民間委託のペースを早めるべき・地産地消の推進・市内業者の育成・民営化されても給食は安全、安心に実施されなければならず、なにより自校調理ができるメリットを誇り市民にPRすべき、との指摘が相次ぎ、市(委託)で事業を続行するが要改善が5人の評価だった。
「確かな学力定着事業」は、独自作成の「学びノート」の是非を巡り指摘が。市独自で取組む意味・ウエブ上で公開されているが経営感覚はあるか・編集を校長、教師で行なっているが、先生のエネルギーを費やすだけの効果か・実際に使われているかの検証がない・子どもの意見を聞いたか、などなど。聞き方、指摘の仕方も大いに学べる。

こんな感じで着々と進行する行財政改革の一環として行なわれる事業仕分けだが、歳出削減が目的ではなく、事業の必要性の見直し、税金の使われ方の適正化、あらたな提案などが浮き彫りにされるものだそうだが、なかなか厳しい指摘の連続だ。
しかし、これこそ、議会に必要とされているものではないのか。決算、予算の委員会で、1事業ごとに時間をかけて議論しなければならないはずだ。常任委員会でも、事務事業について、逐次検証が必要ではないのか。課題も多く、痒いところに手を出したいが、なぜ自由な討議が行なわれにくいのか。日頃、鬱屈していた感情に応えるものが傍聴した事業仕分けにあった。なんだか妙にすっきりした。でも、事業仕分けの手法が定着すれば、議会不要論が出てきそうだ。だって、市民の知りたかったことの多くはここにあるから。それを議会が実現できなければ、不要ということになりがちだ。
もちろん、議会の役割は、監視、チェックだけではなく、新たな政策提案、条例提案など構築しなければならない課題、進行中のあるいは予測される課題、事業への市民意見を代理する提案など、使命は多い。
事業仕分けで厳しく追及された行政側も不服な顔をするのではなく、また議会においても議会の機能の発揮を求められる刺激に対し、傲慢ではいられない、新たな手法を前向きに受け取る必要がある。
国においても恒常的につっこめなかった事業仕分け、地方議会でも同様だが、でも、決算委員会等での「事業評価」はできるはず。多摩市のような例もあり、ここにシフトしたいと強く思った貴重な傍聴。所沢市さん、機会の提供ありがとう。
そうそう、「確かな学力定着事業」では、当市の森教育長さんがすぐ近くで傍聴されていました。(大塚恵美子)