ちょっと一息 京都行き

2010年7月6日 01時33分 | カテゴリー: 日々雑感

先週、所用があって束の間の京都を訪ねた。祇園祭が始り、コンコンチキチの鐘の音が聞こえるまちは、それはそれは暑かったけれど、ちょっと一息。
2年に1度くらい、何かと用事もあって京都へ。シーズンオフの今は、新幹線のぞみ号+シティホテルのパックが新幹線往復より安い。高瀬川沿いの宿屋もいいのだが、今回は娘の絵付けの意匠取材に同行したので、足の便のよい三条近くのホテルに泊まる。
まずは、京都から14分の山崎へ直行。サントリーの山崎蒸留所のあるところだ。目当ては、大山崎山荘美術館。実業家の加賀正太郎が大正から昭和にかけて設計、建築したチューダー様式の山荘で、周囲の景観や睡蓮の咲く池や庭との調和が美しい。アサヒビールの初代社長・山本為三郎蒐集のバーナード・リーチや河井寛次郎の器の展示や安藤忠雄が設計したモネのある地下新館もいいが、なんといっても山荘そのものに見応えがある。和洋折衷の変化のあるおもしろさ、柔らかな色彩のステンドグラス、そして広いテラスからの眺望。風に吹かれて、ああ来てよかった・・・と思う。
京都市中では白川疎水沿いを歩き岡崎の細見美術館へ。この美術館も建物に変化がありすてきだ。「中国の小さなやきもの」展をやっていて、掌に載るような小さな小さな陶磁器は副葬品の俑だったり玩具だったりで、精巧かつ愛らしい。娘はじっと魅入っている。
翌日は、東山へ向かい法然院へ。山の麓の寺の苔むした茅葺の山門は涼しさが漂う。誰もいない静かな苔の庭園をゆっくり廻る。きれいな水の滴る池のほとりに半夏生を見、苔のいくつもの種類を知る。ひっそりとした宝石箱のような寺。
銀閣寺畦の白沙村荘にも立ち寄る。昨年、茶室が放火で失われたが、見学はできるとのことで訪ねてみた。日本画家の橋本関雪が30年の歳月をかけ丹精した3000坪もの緑濃い庭園と三方がガラス張りの50畳もの広い画室。財団の方に話を伺う。石仏やギリシャ美術を愛好した画家の理想郷としての集大成だ。規模は大きいが華美ではなく関雪の人となり、といったものを感じる場所だ。
夕ご飯は、植物園先の北山まで出かけてご飯を食べた。帰りしなにお店の紋の入った布巾をもたせてくれた。
京都は珈琲屋も楽しい。パンやもとてもよろしい。京都府はリノベーション事業を推進していて、再生・再活用された建物やレトロビルの中の洒落たショップを覗くのも楽しい。小さな骨董屋で話を聞くのも楽しいし、染織史家・吉岡幸雄さんの染めの店(江戸末期からつづく染屋)を訪ねるのも楽しい。手芸用品の店もあちこちにあり、娘は量り売りの糸や古いボタン、レースなどを物色している。
山に囲まれ、川が流れ、地下鉄やバスを降りるたびに違うかおが見える。一軒一軒の店が、老舗が、さりげなくこじんまりと魅力を発散している。
いつも「のんびり駆け足」みたいだけれど、あんまり人がいない場所に行っては気に入りをひとつづつ増やす。
そして、必ずのお約束は錦市場へ。鱧の季節なので焼物に目を奪われ、漬物屋、お惣菜屋、お麩屋、卵焼き屋、刃物屋などを覗き、ちりめん山椒や平野のえんどう豆、鱧が載った寿司も欠かせない。あーお酢も買っちゃったし、重い・・・(大塚恵美子)