介護保険がめざす「自治」とは何か

2010年10月9日 12時20分 | カテゴリー: 自分らしく生きる

先日、9月18日に永田町で開催された「NO!寝たきりデー2010」に参加した。市民福祉サポートセンターが主催するこの会は第21回目を迎え、利用者、事業者、保険者、国など様々な立場の人たちの闊達な討論の場となっている。
地方自治の「試金石」とされた介護保険が制定され10年が経過する中、高齢化率は22.7%となり、介護保険の利用は2.5倍、40年後の2055年には高齢化率40.5%と予測されている。
この10年で介護の社会化は浸透したのか?自己責任が問われる場面が増えてはいないか?高齢者を支える基盤は充分なのか?「消えた高齢者」に象徴される孤立化はないか?今後の存続は可能なのだろうか。
2006年の大改定では、介護予防の概念を打ち立て、地域包括支援センターや地域密着事業を創設してきたが、介護サービスが利用者に使いやすくなったというより、事業者本位に動いたのではないか、制限が増え、サービスが遠のいたと感じるとの声を聞く。

6月の経済同友会の「要支援・要介護1」を介護保険対象外にとの提言がある。また、閣議では「医療・介護などを成長牽引産業にする」との新成長戦略における決定がされている。次期H24年の介護保険改正では、厚労省が、住まい・介護・医療・生活支援サービスを日常生活圏域において総合的に提供する「地域包括ケアシステム」の考え方を出し、大転換の兆しがみえる。以前、厚生委員会で視察をした尾道市の「みつぎ総合病院」における「地域包括ケアシステム」の存在もあるが、どの自治体においてもこのシステムが機能するのだろうか。受け皿として充分なのか。NPOやボランティアなどのマンパワーを安く使う構築であってはならない。コミュニティの再生、介護の課題を自治がどう解決できるか、という問題であろう。いまのところ不安要素が大きいように思う。

地域で暮らし続けるために、生活は自己責任なのか。「生活援助」によって生命や生活が維持できるのではないか。私は「生活援助」は保険から外すべきではないと考える。しかしながら、介護保険本体が維持できるかと考えた時に、地域福祉との切り分けが必要、生活を支えるのは介護保険だけでは困難と、パネリストの鏡諭さん(所沢市職員)の発言もあり、重い課題である。鏡さんは、負担と給付の保険原理に思想をどう盛り込むかが問われると言い、地域を支える福祉サービスの再構築を「地域ケア会議」で2年間実践してきた所沢市の経過を話された。

H24年(2012年)には第5次介護保険事業計画がスタートすることになる。同時に診療報酬や介護報酬が改定となる。そのためH23年には自治体における事業計画策定作業が始る。どのようなサービスが必要か、何を外に出すのか、事業の積み上げによっては保険料が改定となる公算が大きい。
先日6日に傍聴した市の「第1回高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画合同会議」では、計画改定に向けた事前作業として利用者等市民意向調査について検討がされていた。
大改定の前の静けさではないが一般的には関心が薄いことがなんといっても気掛かりだ。市民、利用者が意見をいえる調査が実施されなければならないし、なんのための調査か、を理解してもらうための周知を徹底して行なわなければならないと思う。(大塚恵美子)