「チョコラ!」生きてるってそれだけですごいさ

2010年12月7日 05時14分 | カテゴリー: 子ども・教育

日曜日は、サンパルネで映画を観た。「子どもプラスmini」編集室が主催した「チョコラ!」小林茂監督のケニアのストリートチルドレンの日常を撮った作品。撮影チームが、カメラが、向かい合った世界の現実のひとこま。

ちらしの少年の顔にぐっときた。煙草くわえて、こっちを見据える。いい面構え。
貧困、HIV、蔑視、暴力、家族の解体、でも、どっこい生きてるんだ。
チョコラとは、「拾う」という意味だそう。さまざまな理由から、親から離れ、路傍で生きる。空き缶やプラスチックを拾ってわが身を養う。仲間ができたり、こぜりあいがあったり、手入れがあったり。おいしいものにありついて、諍いの種もうまれるけど、誰かが割って入って、次の瞬間、体が自然にリズムをとって揺れ動く、路傍のスイング。これがすてきにすてき。生きてるんだ、文句あるか!

生きてるってそれだけですごいさ。このところ、ずっとそう思う。子どもたちの命が失われることが余りにも多くて、心が塞ぐんだ。あなたは生きてるだけで、いいんだから、ほんとうさ。

素っ裸になって水浴び、草の上に寝転がる、そっと風が吹きぬける。カリンバの音がなる。焚き火と空き缶でつくったピラフ、手ですくって食べる、極上だ、路上のパーティ。シングルマザーとふたりの子どもたちの夕べのひととき、やさしい声と小さなお祈り「コバさんの病気がよくなりますように」。心に映し出された忘れがたい、いくつものシーンは、ふわっと重なったミルフィーユのような受容、認め合うことから生まれ出た。

学校やNGOや金も施設も警察も、ましてや国家なんてあてにならない。カメラを直視し、心の風景を映し出す、それぞれの顔。非力な世界の良心では解決できないあらゆる困難の中で、それでも子どもたちはタフに生きる。泣く。笑う。
いいよ、それで。私たちもみんな子どもだった、いっぱいいっぱいの矛盾も喜びも抱えて。(大塚恵美子)