再生資源業界の現状を知る「TAMAとことん討論会」有意義

2011年1月31日 11時20分 | カテゴリー: 環境

30日、第18回となる「TAMAとことん討論会in東村山会場」に参加。市外からの参加も多く、市民センター会場は熱気にあふれる。関係者の皆さま、ご苦労さまでした。
渡部市長、寄本勝美実行委員長の開会挨拶のあと、2部構成の進行。

当市の西川文政資源循環部長による基調講演は「廃棄物中間処理施設のストックマネージメント」。H22年度から2年間に亘り秋水園ごみ焼却施設延命化工事が行なわれているが、工事に至る経過と環境省からの循環型社会形成推進交付金の活用、焼却施設の概要、延命化工事を選択した検討経過、コスト比較など、立て板に水の調子で専門用語と数字が並び、結構固い話が続き、ナマの秋水園の様子が伝わってこないのは残念。
事例発表は、当市「夢ハウス・美住リサイクルショップ」の秋本幸子さん(MRS運営委員会副委員長)がH10年MRS開設からの活動を紹介。市民による企画立案、予算要求のスタイルは珍しい運営方法とのことで、今後は啓発活動とともに、排出抑制に有効な事業拡大、行政との協働と連携の強化を話され、スローガンは「一番でなければだめなんです ごみ減量、めざせ多摩NO.1!」とまとめられた。欲をいえば、H10年に出された「秋水園再生計画推進プラン」いわゆる98プランからの転向やアメニティ基金の活用実態に踏み込んでほしかったかなあ。

さて、おまちかねの第2部は「再生資源業界の現状」。古紙、古繊維、リターナブルびん・缶・ペット、そしてカレットの現場の最前線をいく事業者の方々からのリレートーク
どなたの話もわかりやすく、今まで見えなかった現場の流れ、資源リサイクル事業の課題、今後の展望などが説得力をもつ。

古紙の持ち去りの実態については、吉浦さん、上田さんから、古紙はごみではなく、有価物、資源であること、都内での持ち去り率27.3%、想定被害額約15億円と常態化していて、行政がかぶるコスト面、社会的損出を認識すべし、と話され「持ち去り禁止条例」化を提案された(東村山には条例があるが、罰則規定はない)。グローバル化の中、輸出量などの安定のためにも古紙の質の向上、選別、安定価格の維持の大事さを話された。

木村さんからお聞きした古繊維の流通については、初めて知ることが多かった。繊維製品の総消費量は年間200万t、その内約10%が資源回収されている。リサイクル分野では機械のメンテナンスに使われるウエス製品に25%、自動車、家電、建設などの内装、防音、断熱などに使われる反毛フェルト原料に20%が使われ、そのまま古着としてリユースされる割合は40%とのこと。質の高い古着の輸出先は東南アジアが圧倒的。しかし衣料品の80%は中国で製造されるが、古着の輸入は中国、インドでは禁止され、物流の矛盾、マーケットの不一致が課題とのこと。汚れたものを混在させないなど質を高める努力は市民の課題

戸部さんによるリターナブルびんや缶・ペットの話は興味深かった。容器包装リサイクル法を絡め、各種容器の生産量と資源化に急激な変化が現れ、ガラスびんの生産は、H19年にはH3ピーク時との比較で41%も減少。いまやリユースリターナブルの環境は後退の一途を辿っているが、見直しも始っている。生活クラブ生協やパルシステムのようにリターナブルびんを定着させたところを選ぶことも必要と明快に話され、心の中で大きな拍手!ちょっと市民権を得た感じで、ああ、嬉しい!
生協の取組み以外でも南九州での900mlびん統一リユースシステムの試みや和民もグループ内で環境的政策、エコファーストを掲げ、300mlびんでリターナブルさせていると聞く。
ワンウェイのリサイクルには回収、施設化など多額の税金の投入という社会的費用がかかっている。リターナブルの環境面、コスト面での優位性に気づき、消費者、販売者がメーカーに理解を得、巻き込んで「もう一度リターナブルびんが流通する社会を考えよう」とは、ずばりその通り。

カレットについては、菅沢さんから、混合収集の課題、高低差のある施設の不合理などが話され、戸部さんが、その先を続けられたが、行政のリサイクルセンターなどの計画では、現場がわかっていない人(コンサル)が設計し、業者の考え方が含まれないまま施設化されてしまう、と。びんに関しても、砕かずびんの形態のままシンプルに出されればいいし、コストや手間をかけずに昔からのやり方で少人数でできるはず、引取り手である業者とのコンタクトをしっかりやってほしい、とのこと。現在、検討中のリサイクルセンター計画に、あてはまることであり、昨年、足立区の中村ガラスさんで見学させてもらった通りのご指摘だった。

示唆に富む指摘の数々、これをどう活かせるか、が問われる。リサイクルセンター計画の次の議論にぜひ、盛込んでいきたい、下地の共有化はできつつある、一歩進めよう。(大塚恵美子)