子ども「年20ミリシーベルト」基準はきっぱり撤回を

2011年5月30日 07時06分 | カテゴリー: 政治を変える

原発震災の収束が見通せない中、日々、放射能は深刻な環境汚染をもたらしている。とりわけ子どもたちへのリスクが重い。

4月19日文部科学省は、学校等の校舎・校庭等の利用における放射線量の目安として、年20ミリシーベルトという基準を、福島県教育委員会や関係機関に通知した。この衝撃は大きい。一般人の許容線量から一気に20倍に引き上げられたのだから。この年20ミリシーベルトは、「ICRP・国際放射線防護委員会の勧告をもとにした」というだけで科学的根拠の説明もなく、年20ミリシーベルトを365日で割り返し逆算した数字が屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相当、との呆れた内容だ。
労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍にあたるもの。大人の原発労働者でさえ高い線量を子どもにあてはめようとしている。
先月、内閣官房参与を辞任した小佐古東大教授はICRPの委員を務めた人、やってられない、と涙の抗議で役を降りられた。
子どもは、大人に比べてはるかに感受性が高く、放射線の影響をより受けやすいことから、子どもが長時間過ごす学校に適用する基準値がこの数値であってはならないし、内部被曝を考慮していないことも大きな考え違い。
私自身、選挙の期間に入り、なんの行動にも移せずにいたが、福島の子どもをもつお母さんたちを中心に署名の取組みが進み、5月23日には約70人もの保護者が上京し、活動を進めてきた市民団体とともに文部科学省に500人もの抗議の輪を広げた。

5月27日、文部科学省は、保護者や学校の不安を受け止め、当面の対応として、子どもの年間被曝量を「1ミリシーベルト以下に抑えることを目指す」とした。校庭の土壌処理を国が財政支援し、福島県内の全小中学校に線量計を配り、6月以降、状況を点検することに。これはお母さんたち市民の実質の勝利だ。

しかし、やっぱり合点がいかないのだ。3月震災当時からの積算線量ではないし、土壌汚染だけの対応にみえるし、なにより目安とした年20ミリシーベルトの基準は依然として変えないということなのだから。どうやって1ミリシーベルトを「目指す」の?意味不明である。歯切れが悪く、どこまで欺瞞と面子に満ちているのか・・・
これは福島だけの問題ではない。子どもの安全に生きる権利を軽んじるものの象徴だ。
市議会で国に、20ミリシーベルト基準の撤回を求める意見書を提出し、おとなの責任を質さなくてはならないね。会派で代表者会に提案し、問題を共有し、進めていきたい。(大塚恵美子)