地中熱利用のオフィスビルを見学

2011年6月21日 09時40分 | カテゴリー: 政治を変える

自然エネルギーからつくる電気の全量買取制度である「再生可能エネルギー法案」のゆくえが気になるところ。
今回は、電気をつくるエネルギーではないが、都議会生活者ネットワークとともに、「地中熱」を利用した熱交換によって、エコな空調設備を導入したオフィスを千代田区一番町に訪ね、地域分散型のエネルギーシステムの具体例をみせてもらった。
築20年のビルだが、2年半前に空調設備を更新する必要が出てきた時に、ビルのオーナーであり、「NPO地中熱利用促進協会」の理事であるSさんが、自らの理念を実用化、導入されたものだ。

都心の既存のビルでありながら、車2台分の駐車場の下80cmに雨水浸透枡を設置し、地下75mまで直径15cmの細い井戸(不凍液を入れてある)8本を埋め込み、空気熱の代わりに、年間を通じて温度が安定(17℃〜18℃)している地中熱を熱源として、熱交換したものを5階建てビルの屋上に設置したヒートポンプを用い、冬暖かく、夏涼しい空気を冷媒を通じオフィスのフロアに循環させている。地中熱交換器の総延長は600メートルだそう。

1フロアが約100㎡の3階部分までを65kWの電力でカバーしている。年間の電力使用料を約半分に減らせているとのこと、特に夏場の冷房においての効率がよく約70%の電力削減という省エネ度を発揮する。

地下に埋設された「地中熱交換器」のヘッダー部分などを見せてもらった後、屋上の「空水冷ヒートポンプ」2機についても説明を受け、1階の玄関ホールに設置されたモニター画面でおさらいをした。このモニターは、ひと目で今の地中熱交換器の動きがわかるようになっていて、地中の温度、外気、ヒートポンプで出し入れされる不凍液の動きや、どのフロアで空調を作動させているか、今、どの位の熱量を地中から取り出して使っているか、などが「バスタブ」メモリなどを使ってわかりやすい説明がされている。
また、地中の変化を観察するための「観察井戸」も埋め込み、井戸の間隔を2メートル離すなど大きな変化が生じないような配慮や監視をしているそうだ。

初期投資にコストがかかるようだが、既に、高崎市が2000kWの地域冷暖房に、北海道ではラン栽培に、春日部市や羽田国際ターミナルでも活用されていると聞く。スカイツリーでも一部導入、東京都も関心を寄せ、見学にきている、とのこと。
地中のエネルギーを活用する、という理論の具体化、現場をみせてもらうことで、たくさんの地球の潜在的可能性を知ることができた。
自然エネルギーの活用にはまだ未知の領域がある。地球のエネルギーって、実に多彩でよくできてるよね!(大塚恵美子)

〔写真はモニター画面、地中交換器の観察ボックス、屋上のヒートポンプとSさん〕