上野一彦先生がかたる「あの子やこの子のいいところ」

2011年11月5日 04時50分 | カテゴリー: 自分らしく生きる


市内で、発達障害児の応援を元気に行なっている「らっこの会」の昨年につづく第2弾の講演会「支援を待っている子どもたち」が3日に開かれた。
講師は上野一彦先生(学芸大名誉教授)、自らの体験に基づき、第一線でLDをはじめ発達障害児=困っている子どもたちへのサポートを実践してこられた方。

障害の種別と程度によって分けてきた特殊教育から、目の前にいる子が何で困っているか包み込むようにやっていくこと、が特別支援教育とお話しになる。
しかし、10年前の国の調査で通常級には6%いるとされた発達障害児への対応は、発達障害者支援法が施行されてからも、各学校に特別支援教室が設置されることもなく、人的なサポートも不十分なまま今に至っているように思えてならない。校内での支援体制も整備されつつあるが、通級による指導を受けている児童は小学校では92.8%だが、中学校では7.2%と減り不登校が増えていく。ライフステージを通しての支援、それぞれの段階でやることがあり、遅れていた高校生への支援、大学センター試験における受験特別措置などようやく変化が起きはじめた。

インクルーシブとはなんでもかんでも一緒に、ということではないと上野先生。その子に支援がどの位いるか、で分けて考え、その子にあったことをやっていくことだと。

発達障害をもつ子どもたちは、うまくいかないことに苦しんでいる。少し開け閉めがぎくしゃくし、きしみが出ている。その引き出しの特徴を考えなくては、とのこと。「障害とは理解と支援を必要とする個性」であると。

昨年の講師の阿部利彦先生からも上野先生のお話しからも、早い時期からの気づきと受容が大事であり、その子に向かい合ったサポートを、一緒に生きるための自立に向うための支援のシステム、一貫した体系整備が必要であると感じた。
お話しを伺う機会を得た人だけが気づきを得るのではなく、受容と理解の広がりを全体化していくための自治体の役割とはどういったものだろう。

厚生委員会では、今月、滋賀県湖南市を視察することに。湖南市は「障害のある人が地域でいきいきと生活できるための自立支援に関する湖南市条例」を設置し、早期発見、発達支援センターでの療育・トレーニングの幼児期、学齢期を経て就労までの一貫支援体制が「発達支援システム」として整備されているようだ。
阿部先生、上野先生からの学びを次のステップにつなげたい。(大塚恵美子)