被災地から学ぶ子どもの権利の視点

2012年1月23日 09時08分 | カテゴリー: 政治を変える

22日は、東洋大で「東日本大震災子ども支援ネットワーク」が主催した「子どもにやさしいまちづくり」〜東日本大震災・原発事故からの「提言」〜に参加。
この支援ネットワークは昨年5月に立ち上がったもので、「子どもの権利条例総合研究所」と国際協力で培ったノウハウのある「ユニセフ協会」「セーブ・ザ・チルドレン」「チャイルドライン支援センター」などNGO、NPO、市民、行政、研究者が被災地の子どもの復興に視点をあて、子どもとおとなのエンパワメントの促進をはかってきた。
まもなく3.11から1年が経とうとしているが、福島、宮城、岩手での活動が報告され、充実した情報交換、意見交換が行なわれた。
ユニセフは、福島県相馬市などで、学校を中心にした子ども参加型の「子どもにやさしいまち」の提言、発表会などを通じ、子どもの力を確信するとともに、学校、行政との連携の中で親たちおとなたちをも巻き込んでいく取組みを紹介。
セーブ・ザ・チルドレンも自治体の復興プロセスに子どもの意見を反映するワークショップ「子どもまちづくりクラブ」の取組みを、宮城県石巻市とともに行なってきた。石巻市には被災以前に設置されていた「子どもの権利条例」が、子ども支援の指標ともなっている。子育て支援課2人の職員で5000人を超す被災した子どもたちに対面してきたというエネルギーの根源にもなっている。

おとなも経済的不安や一向に進まない復旧、復興に苛立つ中で、取り残されがちな子どもたち。慣れない仮設住宅での暮らし、進まない保育園、学校の復興、おとなの都合にコントロールされてしまう移動、虐待、暴力、放射能のリスク、外部ボランティアによる性被害まで出る中で、悩み、萎縮する子どもたちの姿が伝わってくる。子どもの声を聞き、寄り添い、向かい合い、復興のプロセスに生かす道筋をたてることの重要性、「あなたたちを忘れない」という継続したサポート、地域のおとなのエンパワメントを引き出すことも大事だ。
津波による大きな被害(街の中心が壊滅的被害を受け、駅も失い鉄道は再開出来ず。4.5%の方が亡くなった)の出た岩手県山田町の「ゾンタハウス」(国際NGOゾンタの支援を受けた)の取組みは中高生対象の学習支援や居場所づくりを東洋大の学生のボランティアとともに開設、今では地元のおばちゃんたちを交えた運営が続く。ボランティアの学生の「子どもの視点もおとなの立場もわかる」つなぎ役の活き活きとした活動が報告される。「タダゼミ」という無料の進学指導、学習支援を行なうNPOの取組みも各地で行なわれている。4万人が参加、1050台のバスで毎月1回、線量の低い地域での外遊びなど、原発震災にあった子どもたちの保養の取組みも報告された。

手が足りない自治体の立ち往生。震災は貧困をあぶりだしていく。NGO/NPOがネットワークを組み、ここまで動き、地域に影響を与えてきた。子どもの元気がおとなをエンパワメントさせる。今こそ、子どもの力を確信した双方向の支援が国に求められる。国は何をしている?
子どものしあわせはおとなのしあわせにつながる。こころの回復には何年もかかるだろうが、子どもたちとともに復興を歩むこと、それはどの地域にも通ずる。子どもの権利=「子どもにやさしいまちづくり」は単なるスローガンではなく、歩むべき道しるべであることを知る。被災地がモデルとなって全国に、と石巻=ロックンロールの子どもたちは発信している。(大塚恵美子)