まちの緑は誰のものか

2012年2月10日 05時22分 | カテゴリー: 環境

このところ、1月6日、2月9日と、毎月、緑化審議会が開催された。6日には、緑地保護区域の一部解除が議事となり、会議の間に現地を視察し、その後、審議に入り、本日9日には、私から、その後の動きなどの報告と問題提起をさせてもらった。
この緑地は、美住町に残る「最期の雑木林」。11月に、測量が始まったとの情報が入り、都市計画課(都市環境部)、みどりと公園課(都市環境部)、高齢介護課(健康福祉)の3課に関連する事案であることから聞き取りなどを始めた。

当該地は市の緑地保護区域の指定を受けた2〜3mほどの高さのある斜面地で、広さは2,500㎡ある。周辺は30年くらいの間に開発され、マンション、スーパー、戸建住宅がぐるりと緑地を取り囲む。
隣接する自治会が、土地所有者、事業者に説明会を要請し、2回の説明会が開かれた。
公道から緑地まで新たに2.5mの傾斜のある道路を造成し、コナラ、エゴノキなどが生える保護区域のうち約2/3ほどを指定解除し、介護保険制度の新規サービス「サービス付高齢者向き住宅」4階建ての建設が計画されている。建物の手前の約1/3は緑地保護区域として残ることになる。保護区域の一部解除が申請された時点で、まだ都や市との調整会、事前協議、開発審査などの手続きには入っていないことがわかる。

説明と話合いが進むうちに、既存の住宅と新たな建築物との距離など建築計画、日照、雨水の貯留、浸透などの処理、工事車輌の通行など様々な質問や要請が出されたが、緑地として現状のまま残してほしいとの声が少ないことに驚く。
長い間、市の指定を受け、固定資産税などの減免を受けていても、樹木の適正管理がほとんど行なわれず、萌芽再生能力の落ちた林の木は伸び放題、折れた枝や倒木も目立ち、笹が茂り、落ち葉が積もる。風が吹くと落葉が舞い上がり、近くの住民は手を焼いていた。
つまり、「緑の維持の総論賛成・各論反対」の世界になる。常緑樹などへの植え替えが提案されたが、手入れのされない緑地に「応援団」はつかない、という事態になっている。
指定をしても維持のための相談にのっているとはいえず、苦情が出た場合など指導したり、10%課税に切り替えるなどの「ペナルティ」はあるが、37個所の保護区域の緑の適正管理に差が生じている。
緑を残したいという応援がない場合、所有者は維持管理にコストもかかることからトラブル回避のため、全面指定解除という事態に発展するかもしれない様相をみせてきた。

隣接する住民の意見は大事にされなければならない。しかし、「まちの緑」は、隣接する一部の住民だけのものなのだろうか?

今日の議論では、福島会長の「市として、どのような管理を考えているのか。誰がみてもわかる基本ライン=ものさしが必要」とのお話しにもあったように、市街地の緑をどうやっていい形にもっていけるか、が焦点となってきた。
今後、緑化審議会で、どういう形の管理が適当か、整理をすることとし、管理指針、目標を設定しようということが確認された。でも、次の審議会は10月開催? 今回の件には間に合わないじゃない、と会長に訴えたら、作業部会のような機会を設置しても、とのお返事が。ぜひ、その方向でいきましょう。
そして、その前に、当該地の開発、建築が許可を得るための開発審査会が開かれた時には、緑をいい形で残すための意見を担当課長から明確に出してもらうことに。
このことは、美住町だけの課題ではない。(大塚恵美子)