湖南市「発達支援システム」の視察報告会を開く

2012年2月29日 06時28分 | カテゴリー: 政治を変える

2月の厚生委員会終了後に番外編として、11月15日に訪問、視察した滋賀県湖南市の「発達支援システム」について、発達障害児の支援の一貫性を共感・共管してほしく、所管の健康福祉部、子ども家庭部、そして所管外ではあるが教育部をお招きしての報告会をさせて戴いた。所管を超えたこうしたやり方は議会で「異例」のことらしいが、委員会視察を行っただけでなく、ともに構築すべき子どもの未来への橋渡しとして実施した、これが標準装備となるといいな。また、「らっこの会」、「障がい児保護者連絡会」のともに歩む市民に報告させてもらったことにも感謝を。

●湖南市発達支援システムについて
滋賀県は障害者の就労環境整備について先駆的な役割を果たしている地域でもあり、湖南市(人口55,135人)では発達障害児を含む支援の必要な人に対し、乳幼児期から学齢期、進学、就労に至るまでの一貫した「発達支援システム」が実践されている。
湖南市では、乳幼児から就労までの支援体制がシステムとして機能するための司令塔・発達支援室が存在する。発達支援室は、相談、療育、ことばの教室、コーディネートなど支援の統括組織であり、義務教育終了後にも関れるよう健康福祉部に位置づけ、特殊教育の専門家である室長以下、保健師、保育士、教員など12人の体制で支援にあたっている。
支援の必要な人に対する乳幼児期からの個別指導計画、個別移行計画による切れ目のない「縦の連携」と、教育・福祉・保健・就労・医療といった関係機関の「横の連携」が、がっちりと組み合わされ、ライフステージにあわせた連続的、横断的な支援が実現している。
この「発達支援システム」は「H16年度バリアフリー化推進功労者内閣総理大臣表彰」を受賞するなど、「庁内のバリアフリー」横連携が高く評価されている、というのも納得。

システム化が定着するまでの経過として、H11年に、システムの構築を求める13,000人の署名が当時の甲西町長に寄せられ、H14年には、発達支援システムの開始、発達支援室、発達支援センターの開所につながる。H18年には「障害のある人が地域でいきいきと生活できるための自立支援に関する条例」が制定され、H22年に、「発達支援システムの運営に関する規則」が制定されるなどシステムの位置づけ、ルール化が明確となる。

個人を支える下からのつながりと支える連携のしくみ、条例や規則によるルール化が確立され、人が交代してもシステムとしての機能が保障されている点は大きい。また、発達支援室の職員は、大阪教育大での研修を受けるなど専門性を高め、交代しても専門性、経験のある人が庁内に増え、理解が深まることにつながっている。

また、5歳児健診などは設けていないが、乳児健診、保育園、幼稚園における早期発見とその後のフォロー体制、療育・教育支援につながっている。発達支援室の専門的療育・教育支援の場として「ことばの教室」があげられる。ことばやコミュニケーション、学習面に課題をもつ子どもたちへの支援が三雲小、水戸小に併設された教室で幼児期と学齢期にわかれてセラピーやトレーニング、グループ指導として行なわれている。通級児・生の数(H23年11月)は、幼児期が104名、学齢期(小中)が106名と大変多い。
ことばの教室での取組みは市内全小学校1,2年生への読み書きチェックに活かされ、その後の指導に反映される。

支援に必要な個別指導計画や療育の記録、さまざまなデータの集積が生かされ、ITネットワーク「KIDS」が構築され、保護者を含む関係機関へのデータの共有、情報交換が図られていることも特筆すべき点だ。さまざまな工夫に「困り感のある子ども」の成長に対峙する行政の思いとエネルギーを感じる。

東村山にも障害児、発達障害児への支援、資源や機能が皆無ではないが、ひとつひとつがニーズに応えているとはいえず、一貫したつながりに乏しい、というところだろう。今後、この視察の共有によって、今ある資源の結びつき、庁内外の連携を図り、ひとり一人に向かい合う継続的な支援を行なうための「東村山版発達支援システム」の構築が必要となるだろう、必ず。(大塚恵美子)