調べ学習体験記

2012年3月25日 20時49分 | カテゴリー: 子ども・教育

やっぱり図書館司書のいる学校図書館はいいな。私が浦和で過ごした小学生の時からずっといつだって学校図書館は開いていて、司書の先生がいて、お喋りをすると叱られて、独特な本の匂いのする特別な場所だった。県立の児童図書館も須原屋という本屋も好きな場所だったけれど、学校の中の特別な場所というのがいい。誰かと一緒でも、本に向かい合う時は誰もがひとりになれる。

ようやく東村山でも、昨年10月から小中学校の図書館に司書の先生が配置となった。2校にひとりの掛け持ちでも、12人の専任の人が入ることで図書館は変わるのだ。
先日、七中の図書館で、司書の先生による「調べ学習の体験講座」があり、参加した。「今日は、みなさん中学生ですよ」と、まだ若い男子の山口先生に言われ、「はい」と席についた10人。先生が11月に1年生3クラスで行なった授業とほぼ同様のやり方で1時間半くらいの講座だったけれど、図書館の活用の一歩として、充分楽しんだ!
「調べ学習」は、国の政策として「学習指導要領」に定められている。「調べ学習」が求められている訳だ。
今はパソコン、ウェブで手っ取り早く検索してしまう、というのが王道になりつつある。確かに百科事典も辞書すらも引かなくなっている・・・簡単便利で好奇心も意気消沈気味、なんとなく堕落したような気分に。
山口先生指摘の「こんなリポートは嫌だ!」はまさにそこを衝く。①出典がない、②ウェブ丸写し、③個人ブログなどの出元不明の記事を参照、④使った資料が偏っている、など、ふーむ。
それでは、そこを踏まえ、いざ「調べ学習」を。本日はウェブ禁止なり。

最初に、「図書館クイズ」という紙が全員に配られ、そこには全て異なる「問題」が書かれている。例えば、「ビクトリアの滝はどの国にまたがっているか?」、「人口第4位、第5位の国はどこ?」、「『羅生門』のはじめの一文は?」と、ちょっぴりひねりが効いている。私の「お題」は「古代文字ヒエログリフはどこの国で発見された?」だった。私はミイラ好きなので、この問題は嬉しく、即、判った。が、中学生の私は資料をさがす。うーん、「文字」で行こう、それから「文明」はどうだ?それなら歴史から紐解くか、と図書館を廻り、4冊本を探し出す。そして、「エジプト」という答えと「ヒエログリフ」がどのような文字かを他の人に披露する。9つの問題と答えの導き方を共有し、へえ、といった感じで実に楽しい。ちょっとしたわくわく感と知的好奇心が生まれ出る。
この「図書館クイズ」は有効な調べ学習入門だが、どの学校でも実施されている訳ではない。山口先生は七中だけの司書で週のうち半分は中央図書館で仕事をされている。原則ではひとりが2校掛け持ちのハードな環境のため、なかなかそこまで手が回っていない状況だ。

子どもたちは図書館を活用するためには図書分類を学び、理解する必要がある。そして調べる道筋を見つけるためのキーワードを抜き出し、いくつもの資料を使いながら比較、研究し、目的にそった答えやヒントを導き出す。調べ学習のテーマは担任や学科の先生が出し、調べる技法を司書が教える。これが「学習・情報センター」としての学校図書館の機能だ。

今後の課題として、やはり一校ひとりの専任司書配置が求められるし、調べ学習に応えられ使える資料が揃っているか、が重要だ。山口先生も資料が不足、不十分と指摘する。
そしてもうひとつ、大きな課題を発見した。司書の雇用形態が臨時職員であることだ。一年ごとの臨時職員であり、春休み、夏休みといった時期は「雇われていない」のだ。現に3月16日で仕事を終え、4月半ばから勤務再開とのこと。休みの時期こそ、書架の整理、選書や蔵書計画を立てるなど、学校図書館をフルに「営業」させるための大事な点検、準備の時期であるべきなのに・・・臨時職員は学校現場になじまない、今回の体験の結論。(大塚恵美子)