ようやく春がいっぱい

2012年4月8日 23時19分 | カテゴリー: 日々雑感

東京のあちこちで、一斉に花が咲きそろう。土曜日は北風が冷たく、お花見陽気ではなかったが、日曜日は街のいたるところで白く霞むように、こぼれるように咲く桜の下で、心待ちにしていた遅い春を誰もが、うっとり堪能しているようす。
私も近くのグリーンタウンの桜並木が大好きな光景なので、わざわざでも桜の下に自転車を走らせる。くめがわ電車図書館の脇では必ず誰かが写真を撮り佇んでいる、毎年やってくる風景が今年もまた。
電車に乗れば車窓の向こうに、ああ、あんなにも桜が。線路のあちら側には紫花菜が咲きだしている。あたりまえの日本の春は美しい。
そして、落合恵子さんがいった「あの日からお花見もできない人がいることを忘れないで」を忘れることなく、深い呼吸とともに一日に感謝。

はやい夕方から家にいられた日曜日。家族は水道道路をサイクリング、中央公園の桜の下で遊んで帰ってきた。おやつは前の晩にパパがママの手助けで作った苺のムース。ミントも載っている。みんなで食べる。春の味、美しく、おいしい。
Rayが弾くブルクミュラー、たまったボタンつけをしながら耳を傾ける。ピアノのレッスンも難しくなってきたけれど、好きなのだ音楽が。だからパパにこっぴどく注意されながらも、繰り返しよく弾いている、音が確かに変わってくる。ピアノを弾く人が近くにいる小さなしあわせ。
学校では、くちがきけないのだけれど、家ではお喋り三昧。今の関心事は、動物や魚類の大きさ。しょっちゅう図鑑を開いて最大の大きさ、というのを確認している。どこに棲息しているか、餌は何か、毒があるか、なども教えてくれる。校庭の桜がひらいた富士見小の入学式では、新一年生を迎えるために、Rayたち新2年生がピアニカで「きらきら星」と「ワルツ」を演奏した。床に足がつかず、ぶらぶら揺れる一年生の小さい足。2年生はどうだ、一年間でこんなに大きくなった。こういうことが実感できるのも春だ。

少し風邪気味のKaiとユーチューブで大好きな電車の実写を見る、「黄色!新型!新宿線!」と新幹線よりお気にいりの西武電車(機関車トーマスとパーシィは別格として)に飽きず、小さな歓声があがる。水道道路を隔てて多摩湖線を走る電車が見える我が家。代々、我が家のどの子もこの風景の中で育つ。Kaiは音だけで電車の色を当てるのだ、不思議に当たる。微妙に車体の重さが違うのか、近づいてくる音でわかるらしい。静かだな、と思ったら、おや、いつの間にか膝の上で眠ってしまう。2歳の小さな暖かな子ども、脚も手も憎まれ口混じりのお喋りもかわいいところだらけ。
やっぱり春はいい。

飯能で2020製陶所という工房をもち磁器をつくっている娘夫婦と赤ん坊のNoeは、この土日、静岡で出展中。今晩から名古屋の彼の実家に滞在して数日遊んで帰ってくるとか。Noeにちょうどいい帽子が見つからないから、とお手製の帽子、薄紫で裏が小花柄、リボンで調節できる、という写メールをくれた。作陶だけでなく、この2人は手づくりを楽しむ。部屋を北欧風のブルーに塗ったり、お菓子やパンも焼くし、赤ん坊のおくるみやスタイ、おもちゃも作る。数年前の自分たちの結婚式の引き出物もつくれば、参列者が読み耽る小冊子もつくる、花嫁のベールや髪飾りもお手製だった。
作品が少しづつ認められてきて、3月には伊勢丹と代官山の雑貨店に出展し、磁器を置いてくれる店も吉祥寺や青梅のほかに、代官山、神楽坂と増えつつある。時々、誘ってくれて出展の様子を見に行ったりする。先日は帰りに春めいてきた代官山を散歩し、話題の蔦屋書店のラウンジで雑誌や本を眺めてのんびりした。何時間か赤ん坊を抱っこしたせいか翌日、胸の筋肉が痛む・・・ううう。
たった今、名古屋からメールが届き、Noeは、お家で飼っている犬にあってもけろっとしていたけれど、ご挨拶で舐められて叫んだ、と書いてある。おかしい!

世の中のあまりにいろいろなことで、連日、非力感を抱くが、こんな春のあたりまえの一日一日が救いであり、大事だ。(大塚恵美子)
【写真は、桜の下のくめがわ電車図書館、娘にもらった春の和三盆、息子がつくった苺のムース絶品!】