点字図書館を訪ねて

2012年5月17日 00時48分 | カテゴリー: 政治を変える


先日、私が委員長を務めている厚生委員会で、高田馬場にある「日本点字図書館」を訪ねた。視覚障害者の団体から、「日常生活用具の給付」に関する請願が出されていて、議論の中で視覚障害のある方のコミュニケーションについて、委員会として、ぜひとも理解する必要があったからだ。図書館全体の見学と、請願で取上げられている「ブレイルメモ」という点字で入力やデータ保存、読み取りのできるパソコンのようなツールを実際に見せてもらうためだ。
一般的に図書館というものは、本のあるところ、というイメージだろう。しかし、現在の点字図書館は、点字による図書も、22,295タイトルともちろん所蔵され貸し出しされているが、実際に活用されているのは、音声で読み上げられたものをCDに保存した録音図書に置き換えられつつあるようで、CD雑誌も毎月発行され、録音図書15,612タイトルを所蔵、貸し出されている。
従来の点字本は量・冊数がどうしても多くなる。例えば文庫本1冊が点字では7〜8冊になるというように。辞書だと数10冊、コンサイスだと100冊とか! レファレンスのコーナーやコンサイスや百科事典を含め、辞書を広げてよむための部屋がある。
在宅で録音する方を含め72人の朗読、音訳のボランティアが使う朗読室や録音、CD化、日本中どこへでも郵送するための作業スペース、点字印刷物を亜鉛版で印刷する機械、その版下をパソコンで点字変換する作業などを見学させてもらう。
子どもの絵本など、例えば「しろくまちゃんのほっとけーき」の文字の部分に点字もあわせて組み合わされ、視覚障害者・児とともに誰もが一緒に楽しむユニバーサルデザインの取組みもある。通路などに展示してあるポスター、地図、絵画などは、見た目は通常の印刷や作品のように見えるが、触れてみると点字も入り、エンボス加工などで、触って楽しむことができるようになっていて、誰でも同じ情報を共有し楽しめる工夫がされている。
階段の手すりも誘導がされやすくなっている。中途障害者のための点字教室や視覚障害者対象のパソコン教室も開かれているという。また、東日本大震災では被災地の利用者392人の安否確認や支援を行なってきたとのことだ。

そして、視覚障害者のための便利な日常用具を説明してもらった。請願に取上げられている点字ディスプレイ・ブレイルメモは、携帯もでき、活用の巾がひろい。文章を点字入力でをつくったり情報を得るだけでなく、音符も点字で読むことができたり音声で情報が得られる情報活用、コミュニケーションのための万能ツールのようだ。韓国ではTVで障害のあるアナウンサーがこのツールを活用しアンカーを務めているという。

東村山では、このブレイルメモの給付対象者を聴覚・視覚の重複障害者のみとしていることに対し、請願で見直しを要望しているのだ。障害種別で分けるのはおかしく、必要な人に選択が可能とすべきであり、請願主旨は納得がいく。誰もがコミュニケーションを阻害されてはならないと思う。
しかしながら、本当に知らないことだらけだ。請願が出されなかったら、なかなか訪ねることもできず、気づかずにいたことがなんと多いことかと恥じ入るきもちになる。
H22年に70周年を迎えたこの点字図書館は社会福祉法人つまり民間の図書館なのだ。昭和15年に個人が創立し発展してきた。14年前に国の費用で建てかえられ、厚生労働省や東京都の委託事業(20%)なども受け、点字本・CDなどの郵送料は国が負担しているが、運営は寄付に支えられている。厳しい状況だが、一般市民も応援の仕方はさまざまある。まずは知ってみることだ。
そして、私たち厚生委員会は真摯に請願の主旨に向き合い、採択することから始るのでは、と思う。ともに生きるためにできることは身近にいっぱいある。(大塚恵美子)