自主企画「東村山市財政白書」をよみとく会

2012年8月22日 08時29分 | カテゴリー: 政治を変える

18日、19日の2日間に亘り「東村山市財政白書をよみとく会」に参加。講師は多摩住民自治研の大野さん。参加者は議員が6人、市民が6人。言いだしっぺの土方議員(自民党)と佐藤議員(変わろう!議会・東村山)による超党派での組み立てだ。こういう会派を超えた自主企画は初めてにちかいのではないか。それもまたよし。

議員になりたての頃、多摩住民自治研の財政講座に出て、はじめて「決算カード」なるものと向かい合った。「専門用語」の羅列と数字との闘いに苦しんだが、やはり受講者が全国からとなると、自治体規模や財政状況が大きく異なり、わかるようでわからない。なんたって自分の自治体の状況すら把握できていなかったのだから。

今回のテキストは毎年出されている東村山の「財政白書」、3月に出た22年度決算を読み解く主旨の東村山ご当地限定パージョン講座。

初日は「歳入」から。1日4時間の集中講座なのだが、そこは元某自治体の職員だった大野さんの具体的かつ着眼点が光る解説がいい。使用料、手数料値上げといった短絡でなく自主財源を増やす手法などは単に数字を追い、解説されるだけではない。途中で挿入されるエピソードに触発される。例えば担税力を増す取組として、税の徴収率に効果をあげた国立市の事例が紹介された。国立市では滞納者からの聞き取りにより、多重債務などの過払い金返還請求のアドヴァイスなどの対策や減免の周知・相談に力を入れた工夫の末に市税徴収率26市中1番となった経過を聞く。とても興味深い。

また、全国各地それぞれの自治体ならではの特徴ある取組も紹介され、里山の資源を生かしたバイオマスエネルギー、洋上風力発電施設へのチャレンジ、地場の果物に価値を見出し過疎地に人を呼び雇用を膨らませたジャムづくりにチャレンジした小さな企業の事例など、考えさせられる財政講座となった。

東村山は交付税の交付団体なので交付税算定の根拠が気になるところだが、単位費用、補正係数は時代や自治体事情との乖離が大きい、特に取り上げられた図書館運営について、10万人に1館でよし、とする国の算定根拠おかしいでしょ、との指摘も。つまり国の「ものさし」が絶対ではないってことだね。そして議会でたびたび議論となる臨時財政対策債の扱い、行政が結構気にしている公債費(借金)のうち退職手当債発行を職員定数削減(H9~23で250人削減)で補うことの矛盾点、問題点指摘など、さらに議論が進む。

「歳出」では、48%弱を占める(H22年度)民生費の内訳や他市のデータとの比較、読み取り、性質別経費のうち、義務的経費が高いこと、使い道の決まっている特定財源などおさらいする。人件費の適正、退職金のみならず公務員の雇用、年金といった範囲まで意見交換が進む。特別会計の中の国民健康保険など赤字補てんのための一般財源からの繰出しが進む一方で、制度そのものが疲労していることが悩ましい。この点、東村山では避けて通れない、国の税と社会保障の一体改革で真摯な議論がされることなくとも。

財政調整基金はまずまずのところまできたとの評価だが、この先、公共施設の建て替えや大修理など投資的経費の増加は否めない。貯金としては不十分だし、いつも将来に備えるばかりでは今のニーズに向かい合えないし。

他市との比較の中でわが自治体の特徴を知ること、長く過去を掘り返してみることが必要、と大野さん。でも、23区都区財調など、都内といえどもあまりの財政基盤の格差にがっくりくるし、それでも、「財政健全化法による健全化判断比率」では、北海道や大阪のいくつかの市のような財政緊急事態までいっていないのはやはりなんといっても都市部だからなのだ。その中途半端であまり増収の兆しや特徴のない自治体としての工夫をひとひねりするしかない。9月の決算委員会に向けて、いい予習ができたが、宿題の荷は重い。(大塚恵美子)