排除しない社会に向けて 共同連全国大会開催

2012年9月5日 09時52分 | カテゴリー: 政治を変える

 91日~2日、立教大で「第29回共同連全国大会・東京大会」が開催され、初日の全体会だけ参加できた。

障害のあるなしに関わらず、社会的に排除された人と共に働く「社会的事業所促進法」の制定を求める活動に共感し、滋賀や愛知などの実践の場を訪ねたり、事務局長の斉藤縣三さんのお話を伺う機会を数多くもってきた。今回は、国で検討されている「生活支援戦略」の中間まとめや佳境に入ったかと期待された「社会的事業所促進法」だが、どちらもまだまだ前途多難だ。

国の感性なき遅々とした歩みとは別個に、共に働く社会的事業所の取組みは滋賀県、箕面市、札幌市、そして三重県での制度化など着実に実践を重ねてきた。韓国では6年前に制度化され、イタリア、北欧では協同組合の形で実現されている。

日本での先駆的な取組事例の座談会のほか、「生活保障 排除しない社会へ」と題した宮本太郎(北大教授・生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会会長)の基調講演があった。宮本さんは「一人ひとりが働き続けることができて…働けなくなった時に、所得が保証され、あるいは再び働くことができるような支援を受けられることが必要」とし、「これまでの日本型モデル、社会保障を雇用と家族に頼ってきた限界が露呈し、今や99%の弱者の時代に生活保障の新しいデザインを考えていく」との論調だ。

それを受けて始まった、宮本太郎、湯浅誠(もやい・元内閣府参与・反貧困ネットワーク事務局長)、斉藤縣三のお三方による白熱した議論「排除しない社会を実現するために」が実によかった。 障害のあるなしに関わらず対等な働き方と再配分を行う雇われるだけではない働き方としての社会的事業所の意義が大きいことは、今の社会で生きづらさを感じる人にとっては思いのあるところであり、ワーカーズ・コレクティブの活動を支援し「轍・東村山」や「スーユンタン」という事業所でささやかな実践をしてきた私にとっても共感度の高い社会的事業所促進だけれど、私自身は、起業するにはハードルが高い状況の場合、障害者の社会参画として一般就労への道筋も同時につけたいと切望している。そんな思いをもち聞き入る。

斉藤さんは就労訓練や「中間的就労」は一時的な雇用にすぎず、国はそれで終わらせようとしていると手厳しい。宮本さんは社会通念のモデル・前提がひっくり返った、皆が弱者の時代に、all or nothingではなく昇ったり降りたり止まったりできる「階段」が必要であり、それは序列をつくるわけではないと、と力をこめる。湯浅さんは、社会的事業所含め多様なオルタナティブな働き方、生き方が必要であり、(社会的事業所のように)民間がやることと、国が(就労)政策としてやることの違いは「反対している人の金ももらうこと」であり、誰が幅広く説得し理解を進めていくか、(ここにいる誰もが)責任がある、と。誰もが排除されず、つながるためには、個々を支援する「パーソナルサポート」「生活支援」が欠かせないことも共通だ。

感動したな。うまく表現できないが、三方の究極の「排除しない社会」は共通であり、実現までの手法やはばひろい共有・共感のための説得力の違いがあるにすぎず、誰もが見事にぶれなかった。 社会的事業所も中間的就労もどっちも必要なんだよ、どっちがだめ、って押しとどめることはないよ、とつくづく腑に落ちた。斉藤さんには「わかってねえな!」と恫喝(笑い)されちゃうかな。無理解、不条理、国の動向に悔しい思いはあっても、大勢の思いの同じ人たちと共有を深めることは大きな原動力になる、元気が出る、あきらめないで、行くしかないね!(大塚恵美子)