大阪視察その1 大阪府「行政の福祉化」と「エル・チャレンジ」の就労訓練

2012年9月20日 18時44分 | カテゴリー: 政治を変える

訓練の現場のひとつ大阪市立社会福祉研修情報センター

 

トイレ清掃研修の現場で

 社会的に不利な立場の人が「誰もが希望をもって自分らしく働き・暮らせる社会をつくる」政策実現に向け、この夏、生活者ネットワークの議員同士で、先駆的な取組みを視察した。
 大阪府は、府政のあらゆる分野において、福祉の視点から総点検し、障害者やシングルマザーなどの雇用、就労機会を創出し「自立を支援する取組」を全庁的に進めてきた。このことは案外知られていないのでは。

 実例のひとつ、エル・チャレンジ(知的障害者雇用促進建物サービス事業協同組合)の取組みは、1999年に清掃や建物サービスに障害者雇用の可能性を見出し、事業組合化を図ったことに始まる。時期を同じくして大阪府が府有施設における清掃業務発注を実習、就労訓練の場として提供する施策を開始することになり、相まって知的障害者等の就労支援が開始される。
  2000年から開始の訓練現場提供は現在に至り、2011年度は、府の88施設で104人の訓練生を受け入れ、1年間の訓練を経て力も自信もつけた訓練生を毎年、民間企業への就労につなげている。
   実際にエル・チャレンジ訓練生(知的障害者、精神障害者)のトイレ清掃の現場(大阪市立社会福祉研修情報センター)を見学させてもらう。マニュアルを体得しひとりで丁寧にトイレを磨き上げ、自信をもって語ってくれた。

 そして、2003年には、清掃業務発注において、大規模施設から小規模施設に至るまで、低価格入札に特化しない公共性評価項目「福祉への配慮」を100点中30点の高配点とする日本初の「総合評価入札」を導入し、障害者、シングルマザーなどの就労困難者の雇用を促進している。

  その他、IT関連のアウトソーシングとして障害者の在宅就労の促進を図り、2006年にはITステーションを設置、IT関連業務の2011年の実績は1491620万円の発注だ。

  2011年から「チャレンジ雇用」の一環として府庁舎内2カ所に、発送、袋詰めなどの軽作業を集約させた「ハートフル・オフィス」を開設し、15人が嘱託職員として雇用されている。

 2003年からの新たな取組としては、公園管理業務などの指定管理者制度への導入が検討されている。

 国がようやく追い付いてきた、とは担当の福祉総務課の職員さんたちの弁。丁寧なお話を伺い、意見交換をした場所はレトロシックなしつらえの大阪府公館(元知事公邸)で、ちょっとびっくりのVip扱い!

   歴史的背景の中で社会的弱者、就労困難者へのまなざしのある大阪府だが、今につながる具体的かつ全庁的な推進力に感激し、9月議会の一般質問を準備する途中において具体的なイメージが構築できたことに大きな感謝を。
 
いうなれば「大阪府の全国化」が必要ではないか。都構想などではなくて。(大塚恵美子)