大阪視察その2 「ウィメンズセンター大阪」と「性暴力救援センターSACHICO」

2012年9月20日 18時58分 | カテゴリー: 政治を変える

  富士見産婦人科病院事件をきっかけに、大阪の女性たちが「私たちは本当に自分の体のことを知っているか、向かい合っているのか」との思いを抱き、「女のためのクリニック準備会」を発足させ、1984年に「ウィメンズセンター大阪」として街の中に小さな拠点を創り出した。

中絶、ピル、出産など女の悩みや相談を受け止め、女の体とこころの課題への取組みを進め、カウンセリング、電話相談などを実施し、「女・からだ110番」などの冊子の発行、2004年センター内に産婦人科医の加藤治子さんを迎え「はるウィメンズクリニック」を設置した。日々、カウンセリングや相談のほか、診察、鍼灸診療、そして性暴力にあった女性たちへの支援のためのアドボケーター(支援員)養成講座や講師派遣を、しなやかでありながら精力的に行っている。
現在、19歳までの子どもたちに対するデートDVや性虐待の悩みを聞き、性暴力から子どもを守るために「サチッコ」という電話相談も開始した。性やDV、性暴力が堂々と語られることなくタブー視されがちな社会の中にあって、女が自分の体を肯定し、自尊感情を獲得するための大きな気づきを与える場所となっている。スタッフの「性暴力に合う人は特別な人ではない」との言葉が胸を打つ。

その後、2010年には、DV、性暴力、性虐待の被害に合った女たちの救援、総合的支援のために日本初の「性暴力救援センター・大阪SACHICO」を松原市の阪南中央病院内に開設する。
病院の一隅に設置されたSACHICOは、ボランティアによる24時間ホットラインの相談体制と、緊急対応のケアを行う4人の女性医師のローテーションで支えられている。診察のほか、緊急避妊薬、性感染症治療薬の処方、法医学的証拠の採取・保存、医療支援ネットで連携している機関(弁護士・カウンセラー等)の情報提供などを行う性暴力被害者に対するワンストップセンターとして、当事者の視点に立った支援を行っている。SACHICO開設2年の現況は、電話相談が4835件、来所件数が1002件、初診者数317人のうち、年代では10代が過半数を占める。
SACHICOの事務局機能を「ウィメンズセンター大阪」が担い、24時間体制の医師の診察、日々の電話相談のほか、アドボケーター(支援員)の養成や全国に協力病院を広げたい思いで講師となり、女の権利の獲得のために駆け回るスタッフたちに頭が下がる。

男性優位の社会構造の中で、片隅に追いやられがちな女への暴力とりわけ性暴力に対する世間の通念、戦時中の「従軍慰安婦」にも通じる根源的な女性蔑視の考え方が透けてみえる、根っこはつながっている。私たちは、あらゆるところで、その認識を変えることから始めなければならない。

大阪につづき、東京でも6月に「性暴力救援センター・東京 SARC」が開設された。事務局長はセラピストの平川和子さんだ。先日、東京ウィメンズプラザで開かれた公開講座「強姦神話ってうそばかり」のパネリストとして、6月から現在までの電話相談が344件との取組み報告をされた。

全国各地で必要とされる性暴力救援センターだが、国などの公的な財政支援、助成が得られず、会費、寄付に頼る厳しい財政状況であり、基金の設立や財政支援が大きな課題。

女や弱者が安心して生きることのできる社会は誰にとっても望ましい社会だ。
大阪の2つの視察を通じ、思いを新たにする。(大塚恵美子)