「胃がんハイリスク検診」厚生委員会視察で目黒区へ

2013年1月16日 04時59分 | カテゴリー: 政治を変える

15日、大雪のなごりの中、目黒区に「胃がんハイリスク検診(ABC検診)」の視察に伺う。厚生委員会に出されていた「予防医療促進のために『胃がんハイリスク検診』の導入を求める請願」を審査してきたが、先駆的に取組んできた目黒区の事例を直接伺うために。

東村山では従来のX線撮影による胃がん検診と大腸がん検診のセット検診を35歳以上の方を対象に自己負担1500円で行っているが、受診率は21年から23年までの推移を見ると、3.6%、2.7%、3.4%と低迷していて、肺がんについで胃がんの死亡率が高い。

「胃がんハイリスク検診」は、ピロリ菌感染の有無とペプシノゲン値測定を血液検査によって行うもので、胃がんになりやすいかどうかをABCD4段階で判定する検査法だ。4段階の胃がんリスクに応じて内視鏡による精密検査を受けることで胃がんを早期に発見することができる、とされるが、厚生労働省が指針を定めていないことから、取組みはまだ少なく、目黒区の他に中野区、世田谷区(ペプシノゲンのみ)、板橋区、墨田区、西東京市が実施している。

目黒区健康推進課長から導入の経過や実績など多くのお話を伺うことができた。目黒区では、40歳以上対象の特定健診のお知らせと同時に、がん検診の受診券が送付され、区内30ヵ所の指定医療機関で受診することができ、自己負担はなく無料である!
胃がんハイリスク検診は20年度から導入され、対象者は40歳から5歳きざみで70歳までと74歳となっている。X線撮影も行っていて、ハイリスク検診の受診率は33.1%、X線は2.7%と受診率はハイリスク検診が圧倒的に多く、その後の内視鏡による精密検査への移行は48%を超す。
導入にあたっては、医師会との協議に12年の時間をかけ理解を得たうえで、血液検査は同一の検査機関に出す、その後のフォローも同様に行う、など歩調を合わせて進めてきた。今年で導入5年目となり、検証作業に入る予定とのこと。費用的にはX線検診が2500万円で、ハイリスク検診の総コストもほぼ同じとのことだ。
ハイリスク検診はあくまでも、胃がんになりやすいかどうかを判定するもので、胃がん検診ではない。胃がん検診を補完するもの、と目黒区では明確に位置づけている。

無駄な被曝がない、負担の少ない血液検査でよい、X線検査はリピーター化していて受診率が上がらない、などハイリスク検診の長所があるが、反面、国の指針がない、内視鏡の技術に差がある、リスクのないAと判定された場合でも胃がん発症の可能性が全くない訳ではない、フォロー体制をどうとるか、など課題も見受けられる。

今回の視察によって、何より予防原則に立ち、将来の医療費削減につながる可能性が大きいことが理解できた。まずは試行的に導入してみてはどうかとの思いをもつ。次回審査は2月1日の厚生委員会にて、ぜひ熟議を。(大塚恵美子)