厚生委員会視察その1「名古屋厚生会館クリーニングセンター」

2013年1月28日 05時34分 | カテゴリー: 政治を変える

24日~25日、厚生委員会視察で、名古屋市の社会福祉法人・名古屋厚生会を訪ねた。

名古屋厚生会の授産事業の歴史は1943年から始まり、1946年から生活保護法による母子寮(現在の母子生活支援施設・愛のホーム)、1970年に授産所のクリーニングセンター事業を開始している。クリーニングセンターの同一建物内に障害福祉サービスのセルプ(就労継続支援B型)、ワークスが設置され、クリーニングセンターの向いに愛のホームと第一保育園がある。

訪問した午後は、250人定員の第一保育園は外遊びの最中でこどもの声があふれて賑やか。隣接した厚生会本部で愛のホーム、クリーニングセンターについて話を伺う。
クリーニングセンターの利用者数(従事者数)は35人(定員43人)で愛のホーム入居者が31人、愛のホーム退所後、通勤している人が4人。土日が休みで、8時~18時の勤務時間をシフト制で調整している。白洋舎グループの委託を受け、出向の技術指導職員も配置されていることからサービスの質が高まり、地域からの信用が得られ、H23年度の売上高は11427万円となっている。年々ドライクリーニングの需要が減り、原油価格高騰などのご苦労がある中、月額平均賃金は108,202円で愛知県の最低賃金に準拠している。
クリーニングセンター内の一連の作業を見学させてもらったが、3階建ての建物をフルに使い、分別からプレス仕上げまで、女性たちの流れ作業で進んでいる。ひとつの工程に1時間あたりの基準作業量が示されていて、熱心に仕事をされている様子がわかる。

クリーニングセンターは、母子生活支援施設(愛のホーム)の入所者が働く場として開設された授産施設だ。市内5カ所ある支援施設のうち、授産施設、保育園(第一、第二)、学童クラブが近接しセットされているのは、ここだけであり、母子世帯支援という点では大きなメリットがあるが、近年入所者が減ってきており、マンパワー不足でクリーニングセンターの運営が厳しくなっている、とのこと。入所者の6割はDV被害者であり県外からの入所者が多い。DV加害者からの擁護や母子支援員、カウンセラーの配置がされていて安心して暮らすことができる。しかし、門限があり自由がきかない、生活保護を受給していれば働く必要に迫られない、クリーニングセンター以外で働くことができない、などで利用希望者が減っているそうだ。また近年では、外国籍利用者が6年間で4倍に増えていて、ボランティアによる日本語教室を月2回開催している。30代の入所者が半数を占めているが50代から70代が5人いて入れ替わりが多い中、クリーニングセンターの戦力になっているとのこと。金銭管理など個別支援計画が作られ、入居期間は平均で3年2か月で、当初、生活保護受給者が退所時には100万円から500万円の貯金をし、公営住宅などに移転し、戻ってくるケースはほとんどなく、「中間的就労」の役割を果たしている。

クリーニングセンターに併設されている障害福祉サービス事業セルプ(就労継続B型)の利用者は20人、ウエス部門、飛行機で使うイヤホンのセットなどの作業で平均工賃が42,208円と全国平均の3倍強とのこと。ワークス(生活介護)は33名、印刷作業やポーチ類などの縫製をされていて、元気に働いている様子がわかる。

近接した場所で住まい、働き、子育てができるという好条件の授産施設であり、生活保護に依存しない自立への支援がされている施設だが、全国的に施設の数も少なく、認知も十分とはいえないようだ。障害福祉サービスの併設、運営で、名古屋厚生会館も生活支援と授産事業を維持されているが、障害者自立支援も法律、制度に翻弄されがちだ。
生活保護受給額の引き下げが決定しそうだが、自立できる環境整備、受け皿の整備なくしての進行は安直すぎる、とあらためて思う。
生活保護扶助費減額の影響は非課税世帯、就学援助、保育料などあらゆる分野に連鎖する影響を与える。財政ありきでなく人の暮らしを見よ。(大塚恵美子)