100円家事代行 第3弾まちカフェめぐりin光が丘

2013年1月29日 23時31分 | カテゴリー: 政治を変える

コミュニティカフェ「団地の縁側」で古市盛久さんと

28日、「大塚恵美子とまちカフェめぐり」の第3弾として、練馬区光が丘団地のコミュニティカフェを訪ねた。
ゆりの木商店街の一画に「コミュニティカフェ~団地の縁側」がある。ガラス張りでオープンな雰囲気のお店の中は、木と珪藻土を多用した土間のある「縁側」空間。こちらで、コミュニティカフェと「株式会社・御用聞き」代表の古市盛久さんのお話を伺う。

2年前にこの場所で2坪半50万円のコストでスタートした家事代行の「御用聞き」。1年たったところで自然素材を使った建築事務所ライト工業の展示場としてリニューアルし、1000万円のコストはライト工業もちで、URの賃貸料は高齢者支援事業ということで初めの6か月は無料、現在は家賃20%引きの月14万7000円とのことだ。

ここではコミュニティカフェと御用聞き、という2つの事業をシェアしている。おととしの暮れから始めたコミュニティカフェ、縁側であり「みんなのレストラン」でもある。500円ランチと100円のコーヒーなどを提供。11時~4時までの営業で調理は子育て中のママさんたち7人のローテーションで回している。訪問した日もお孫さん連れのおじいちゃんやご婦人たちで席が埋まっていく。みんな、自分の家の居間のように寛いでいる。本日のメニューは、鶏肉ソティと肉詰めしいたけ、お味噌汁にご飯。いただきます。

コミュニティカフェだけでは回転率が十分とはいえないため、シナジー(相乗効果)としてカルチャー教室(寺子屋)や音楽会などのイベントも提供。他にはない、というブランド化とお得感のあるフリーミアムの手法で、例えば、新進気鋭の演奏者による音楽会は無料でも、その後に設定した食事会は飲み放題のビール付有料2000円、すると音楽会の後、みなさん食事をされていく、という流れに。

古市さんの経営哲学、戦略がだんだんわかってくる。消費者、お客さんのこういうのがあったらいいね、を形にしていく。お客さん発なので企業の論理やお仕着せでないことが強い。33歳とのことだが、数々の仕事を手掛け大きな収益を上げたが、拡大に失敗、手持ちの金が底をつくピンチの時に、復帰をかける中でケン・ブランチャードの「事業が継続できる3つの方法」→「売り上げがコストを上回る・お客が喜ぶ・働く人が喜ぶ」に学ぶ。この転機から生まれた「利益の尺度で事業を計るのではなく、社会に足りない部分を私が埋めたい」との信念が原動力だ。

御用聞き、と染め抜いた前掛け一丁でひとりで始めた「家事代行、御用聞き」も今は大学生5~6人が担う。大学に行き、学生に直接プロモートする。家事代行をこなせば、就職にも有利、というしかけも考える。触発された学生たちは5分100円で資格のいらない軽作業や掃除を引き受ける。大学生が動ける日程に合わせ、巡回の形で御用聞きをし、2000件の仕事と人のつながりを生んできた。初めは電球交換など15分くらいの仕事が多く、80%がリピーターとなり風呂掃除やレンジフード掃除、パソコン設定など90分の仕事を頼まれるようになってきた。口コミの広がりとNHKや民放など15社を超える取材、放映の力も大きかったようだ。かなり注目され、ちょっとした「売れっ子」状態だが、折り目正しくぶれずに話される姿勢とエネルギーに圧倒される。コミュニティカフェも御用聞きも「商い・雇用・教育」と連鎖し地域活性化につながり「満足」につながる。専門性が必要な時はやれるところを紹介する、と潔い。

「縁側」でくつろがれるお客さま(撮影・掲載許可戴きました)

御用聞きとして直接アナログで聞くことが純度が高い。会話で世の中を豊かにする、と名刺にもある。
5月にはNPO法人格を取得の予定だ。株式会社との2つの看板だが、ミッションが異なる。株式会社では企業のマーケティングを行い「社会をつくる」、NPOでは地域活性化に取り組み「社会をつなぐ」。御用聞きをNTTドコモのように全国に展開する、とは古市さんの熱い決意。誰にも必要なものを面で拡げる、という。近々、多摩と高島平エリアに事業拡大となる。次々に湧き上がる構想、といった感じだ。

若者の起業、地域の活性化、と様々な側面をもつ活動。生き方を自らの哲学で切り開き、地域に影響を与えていく。ちょっと「三方よし」の近江商人を彷彿させる。元気の連鎖は、今日日とてもいい。(大塚恵美子)