所管事務調査事項「障害児の放課後余暇活動を保障する施設のあり方について」厚生委員長報告

2013年3月27日 11時30分 | カテゴリー: 政治を変える

 (所管事務調査事項とした経過)
243月議会で当委員会に付託された「放課後余暇こどもくらぶへの予算要求に関する請願」を9月議会で採択したが、次年度の予算(中間送迎代)を減額させないための担保としての採択に過ぎず、本来は重度の知的障害児の放課後余暇活動を保障するための体系整理、施設化など市の事業としての位置づけが必要なことから、11月より「障害児の放課後余暇活動を保障する施設のあり方について」を所管事務調査事項とし、取組んできたが、今議会をもって、所管事務調査事項を終了とするため報告を行う。

余談ながら、25年度予算審議の際、社会福祉協議会が運営する「るーとこどもくらぶ」の補助金対応については、24年度予算378,400円のところ25年度予算は678,000円に増額となり、またスーパーバイザーの経費132,000円が計上され、制度の体系的整理の前に、緊急避難的に予算減額とならないような取組がされ、先の請願が本会議で全員一致で採択されたことの意味は大きいといえる。 

(所管事務調査事項の調査・議論の経過)
4回にわたる所管事務調査の中で、放課後等デイサービス事業を社会福祉協議会で行っている静岡県掛川市の「放課後等デイサービス事業かざぐるま」の視察を経て議論を重ねることができ、一定のまとめを得るに至った。
11月からの調査、議論の流れを報告する。11月には、所管の障害支援課長から、障害児の放課後余暇活動についてのニーズ把握が必要であることから、放課後等デイサービス施設などの利用状況や利用希望について、アンケートを実施するとの話があった。2月には、アンケート対象の特別支援学校、市内特別支援学級、市内保育園の障害児の方などへの配布枚数が293件、回収枚数は145件、回収率は49.4%との報告があり、分析の上、放課後余暇事業を実施している事業者や、開設を検討している事業者等へ情報提供していきたいとのことだった。
委員からは市内や周辺の放課後等デイサービスに関する法内事業移行などの動向についての質疑があり、所管からは、どこの自治体でも、児童福祉法の法内事業、法定事業に移行することを目標に調整している、東京都の福祉保健局のHP「放課後等デイサービス」によると、12月現在、多摩地域では59の事業所が該当となっており、大体市に1箇所、移行が完了しているかどうかという状況にあり、市内では「山鳩訓練室」が25年度より法内化するための準備をしていると聞くとの報告があった。また、委員からは「山鳩訓練室」について、法内化する「山鳩訓練室」で重度の知的障害児である「こどもくらぶ」の子どもたちを受け容れることはできるのか、また法内事業移行によって20人の定員が15人に変わる原因は何か、との質疑に、課長からは、新たに整備した拠点が狭く20人では安全面から危険であること、その分、今まで週3回実施していたところを週5日に拡大するということになる、との答弁があった。
課題は拠点となる場所の確保であり、旧花さき保育園園舎を使うことはできないか、との質疑もあり、課長からは、保育園待機児対策で補助金を受けた建物であり、まずは待機児対策が解消されるということが前提条件であり、現在の状況では困難性がある、との答えだった。その後、各委員から、学校のランチルームやふれあいセンター、公民館などの施設を活用できないかとの質疑が相次いだ。課長からは、日によっての場所の移動を含め、設置基準として認められるかだが、「山鳩訓練室」も2か所を活用することになり、場所があちこち動いて活動するという点では、可能なことだと思うが、定員分のスペースの確保がいる、との答弁があった。
児童福祉法に基づく「放課後等デイサービス事業」の設置基準について調査を求め、利用定員は10名以上、人員基準については管理者として常勤1名、児童発達支援管理責任者については常勤1名以上の設置、機能訓練担当職員については日常生活を営むために必要な訓練を行う場合は職員を配置する必要がある、指導員の配置は、障害児の数が10人までは2人以上、10人を超える場合は2人に、障害児の数が10人を超えて5または端数を増すごとに1人を加える、設置基準としては、指導訓練室、支援の提供に必要な設備及び備品等を備えること、また指導訓練室は、訓練に必要な機械器具等を備えること、とのことがわかった、

125日には、静岡県掛川市の「放課後等デイサービス事業かざぐるま」を視察した。掛川市では社会福祉協議会が受託し事業を2か所で実施しており、訪問先の「かざぐるま」は、H13年に心身障害児放課後対策事業として開設され、H244月に児童福祉法下の「放課後等デイサービス事業」に移行している。「かざぐるま」が開設されている総合福祉センターの前身は県立女子高であったとのことで、リニューアルした建物に児童交流館やシルバー人材センターなどが同居し、専用の場所に加えて体育館も活用できる。利用者は小学校1年生から高校3年生までの83人の登録で、週5日開設されているが、1対1の支援体制であるため、一日当たりの利用児童数は12人となり週に1回の利用に留まっている。利用料は上限4600円、国からの補助のほかに支援体制の確保のためにH24年度は市から12706000円の補助を行っている。利用者のニーズに応えるため、新たな実施場所の建設を検討中とのことだ。社会福祉協議会への委託の理由は、社協の他事業としても母親や育児支援に携わり障害児を抱える保護者からの信頼も厚い。保護者が望む支援体制の確保、経験のある人材の確保、事業運営における行政との連携体制の確立を含め、委託に至ったとのことだ。 

(提言)
請願審査を通じ、知り得た当事者保護者の意向として、放課後余暇活動を市の独自事業として位置づけ、信頼関係のある社会福祉協議会が半公的な立場で「るーとこどもくらぶ」を継続し、子どもたちの安定的な放課後の活動を今までの体制で法的に整備、運営してほしいとの希望がある。
従来に近い形での社会福祉協議会での取組みを活かすとなると、改正児童福祉法「放課後等デイサービス」法内化への移行、拠点整備など、他の施設と同様の体系整理をし、事業設置基準、事業給付単位に沿った継続的な人員配置、恒常的な拠点整備が求められ社会福祉協議会とのこれまで以上の協議が必要となる。
また、障害支援課が協議を進めてきた「放課後等デイサービス」開設を検討している市内社会福祉法人あるいは法内事業に移行する「山鳩訓練室」に「るーとこどもくらぶ」の子どもたちが、今までのように1対1のボランティア指導員などとの信頼関係なくして新たな施設等に移行できるか、また受け入れられるのか、ということには懸念が残る。重度の知的障害のある子どもたちに向かい合ったきめ細かい人員体制の確保がなにより重要といえ、この点では、ボランティアセンターを併設する社会福祉協議会が、専門性あるボランティアの養成講座を行っているなど、今後もスーパーバイザーの活用で有効な人材の育成と配置が期待できるものだと確信している。

以上の観点から、厚生委員会は視察での学びを得て調査を終了し提言を行う。障害のあるなしにかかわらず、子どもたちが成長の過程で社会の中でさまざまな方々とまじりあい、受容され、支援を受けて生活していくことが重要であり、とりわけ障害のある子どもたちの将来の自立と母子分離の観点からも「るーとこどもくらぶ」が、「放課後等デイサービス事業」として法内化に向けた整理を行い、「児童発達支援管理責任者」を配置し、法定給付内では賄いきれない1:1の人員確保、財政支援をし、ボランティアの確保の重要性を理解しボランティアの訓練も行っている信頼関係が構築された公益性ある法人の社会福祉協議会に、市の独自事業として委託することを最善の方法として提言するものである。(大塚恵美子)